米Intelは、2億ドルのベンチャー投資ファンドを設立し、一般家庭向けの技術開発に特化した新興企業や小規模企業に投資を行っていく。
Digital Home Fundと名付けられたこのファンドは、Intel Capitalが運用にあたり、一般消費者向けのハード/ソフトウェアメーカーやネットワーキング企業の支援目的に利用される。
メディアアダプタ向けチップを設計する米BridgCoや、デジタル音楽ソフトを開発する米Musicmatchも、このファンドから資金援助を受ける。Intelはファンド設立以前から両社に投資していたが、現在はこのファンドから資金を拠出していると、同社関係者は述べている。
家電製品はいまやパソコン業界の誰もが口にするスローガンとなった。米Dell、米Gateway、米Hewlett-Packard(HP)などの大手パソコンメーカーは、テレビや音楽プレーヤー市場に相次いで参入している。一方、米Microsoft、Intel、ソニーらは、映画製作会社やレコード会社と協力し、家庭内ネットワーク上でメディアファイルの交換/再生を行うための標準の策定に取り組んでいる。
これらの企業は、7日(米国時間)から米ネバタ州ラスベガスで開催されるConsumer Electronics Show(CES)で、それぞれ発表を行う予定。CESでは、Microsoft会長のBill Gatesが基調演説を行う。
パソコンメーカーはかつて、家電市場の制圧を試みたことがあるが、その大半が失敗に終わった。しかし、同市場への参入にこだわる各社の関係者は、今回は同じ轍は踏まないと述べている。各社幹部の話では、例えばLCD(液晶ディスプレイ)テレビなどの製品は、パソコンメーカーがすでに販売しているLCDモニターと大して変わらないため、各メーカーはどのように設計し販売すればいいかを心得ているという。
またパソコンメーカーは、従来の家電メーカーに比べ、価格や技術の変化に対し、より迅速に対応できるとも主張している。
Samsung Electronics Americaの戦略マーケティング担当シニアバイスプレジデント、Peter Weedfaldは2003年に行われたインタビューの中で、「パソコン業界は(家電業界に比べ)かなり変化が激しい。かつては製品化までの時間が重要な差別化要因だったが、今は製品の販売量だ」と述べ、さらに「これは大きなチャンスだ。家電業界は飛躍的に成長した」と語った。
Intelは、この種の投資からの利益回収を目論んでいるが、同社のベンチャー支援ファンドの第一の目標は、Intelが生産しているマイクロプロセッサ、フラッシュメモリといった製品の需要を増加させる市場を活性化させることにある。たとえば同社は昨年、ロシアに最初のベンチャー投資を行った。現在ロシアは、ハイテク産業が世界で最も急速に成長している国の1つである。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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