Javaソフトウェア企業10社が6日(米国時間)、業界団体Java Tools Community(JTC)の結成を発表した。開発者にとって、Javaツールをより使いやすく、生産性の高いものにするのが狙いという。
同団体に参加するメンバー各社の話によると、JTCは開発ツールを改善を進め、既存のJava Community Process(JCP)プログラム内で、実践的な専門技術を提供していく予定だという。JTCは、他のソフトウェアメーカーや顧客企業の間にもメンバーを増やしていきたい考えだ。JTCに結成時から参加する顧客企業の中には、米Sprintや米Verizonの名前も見られる。
米Microsoftおよび同社の好調な.Netツール製品が仕掛ける競争を退けようとしているJavaソフトウェアメーカーにとって、Javaツールの改善は長年の目標である。
JTCの結成メンバーには、米Sun Microsystemsや米BEA Systems、米Oracle、独SAP、米SAS、米Compuware、チェコのJetBrainsなどが名を連ねている。一方、Javaツール大手の米IBMや米Borland Softwareは現段階では参加していない。
JTC参加企業らは、開発ツールのみを専門とするJPC付属組織を立ち上げる必要があると考えた。大多数のJava標準は、「ランタイム」と呼ばれる、Javaプログラムをマシン上で実行する際に必要なソフトウェアを重点的に扱っており、アプリケーション開発に対する十分な考慮がなされていなかった。
「我々のビジョンは、業界--他のツールメーカー--とJCPの専門家団体の双方に、ツールに対する自覚を作り出すことだ。我々は(JCP)全体がツールに言及するようにしたい」とOracleの主任設計者兼ツール部門戦略ディレクターのTed Farrellは述べている。
既報の通りJTCは、さまざまなメーカーのツールがより多くの共通性を持つよう取り組んでいく。これにより、新Java製品を素早く市場に送り出せるようになる、とJTCメンバーは述べている。
Javaツールメーカー同士の協力が深まれば、Java開発にまつわる「世俗的な」問題が解決され、商用Javaソフトウェアの構築における余計な作業をなくせるようになるだろう、と独SAPのNetWeaver標準部門バイスプレジデント、Michael Bechaufは話している。
SunのJava Webサービス・ツールマーケティング部門バイスプレジデント、Joe Kellerによると、Java Tools Communityは、Java Community Processにおける通信企業の参加をモデルとしているという。通信業界の代表者らは、歩調を合わせた形でJavaの標準化に関する提言を行ってきており、また複数の新しい技術の間に一貫性が保たれるよう、別々の取り組みの進捗を追跡していると、Kellerは述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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