英国政府は、Linuxシステムを試験的に導入する公共部門全体の取り組みの一貫として、米Sun Microsystemsのオープンソースデスクトップパッケージを試験導入すると発表し、再び、米Microsoftに対する非難の姿勢を強めた。
公共支出の監視機関、英OGC(Office of Government Commerce)はSunのLinuxベースのJava Desktop System(JDS)の包括的価格契約に署名した。これを受け、一連の試用テストが年明けから開始される。
OGCによると、この契約の目的はサーバ、デスクトップの両環境で(Microsoft製ソフトなどの)プロプラエタリソフトウェアに代わる競合製品を導入することにあるという。今年、一部の政府機関がLinuxサーバを試験導入するためにIBMと同様の契約を結んだ。
OGC側の交渉責任者のMark Woodsによると、Linuxシステムに変更することにより、小型軽量クライアントといった別の機器の使用が可能となり、さらに既存のパソコンの寿命を伸ばす効果もあるという。
「IT機器の頻繁な交換が環境にもたらす影響を過小評価すべきでない。さらに潜在的な直接的費用便益もあることを考えると、(IT機器の交換は)必然的なことだ」(Woods)。
Sunの政府業務/公共政策部門の責任者であるRichard Barringtonは、ZDNet UKの姉妹サイトのsilicon.comに対し、試験の詳細は1月にまとめるが、デスクトップ上のMicrosoft製品をLinux製品に替えることにより、大幅なコスト削減を実現できることを証明する、と語った。
Barringtonは「これで英国政府は3年に及ぶ、リッピングしては交換するという単調な仕事から解放される」と述べ、さらに「最も節約できるのは(Windows)NT4上で管理されている莫大な政府の保有財産だ。NT4はいずれXPにアップグレードしなければならないが、JDSならその必要はなく、大幅なコスト節減になる」と語った。
Barringtonは、今回の試験の1つとして、協力してくれる省庁を探し、Linuxサーバ/デスクトップソフトを使い”一室の隅から隅までびっしり小型軽量クライアントを置いて試験”を実施する、と述べた。
OGCの契約に先駆け、英国国民保健サービス(NHS)が5日(英国時間)、Microsoft製品の代わりにJDSを試験導入すると発表した。保健サービスで利用されているおよそ100万台のデスクトップパソコンの全てにJDSが導入されれば、”数百万”ポンドの国家予算の節約につながる可能性があるという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したもの です。
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