米Sun Microsystemsの幹部が11日(米国時間)に明らかにしたところでは、同社は2004年後半にも、Javaアプリケーションサーバ製品のフル機能版を提供する予定だという。
Sunは11月、Javaアプリケーションの開発および実装を行うツールキットを同梱したSun Applicaiton Server 8.0の機能縮小版を、開発者向けにリリースした。これは、Webサービスアプリケーションの開発を容易にするJ2EE(Java 2 Enterprise Edition)のバージョン1.4に準拠しいる。
同社Java Webサービス部門のバイスプレジデント、Mark Bauhausは、11日に行われた報道関係者向けの説明会のなかで、Sunは2004年後半にSun Applicaiton Server 8.0のエンタープライズ版を提供することで、この開発者版Javaサーバソフトを補完すると述べた。このエンタープライズ版には、強化された管理機能、向上した処理能力、クラッシュからサーバソフトウェアを隔離する高い可用性など、先進的な技術が盛り込まれる予定だ。
Bauhausは説明会のなかで、Java Enterprise System(JES)と呼ばれるSunのJavaサーバソフトパッケージには(潜在顧客から)強い関心が寄せられているとも語った。同社は、今月初めに、従業員1人あたり年間100ドルという価格で、このJava Enterprise Systemの販売を開始している。
Bauhausによると、プロセッサ単位でライセンス料がかかる典型的な料金体系とは対照的なSunのこの価格設定が、「アプリケーションサーバ市場から過剰な料金を追放している」という。SunはJavaサーバ製品スイートの個別のコンポーネントに関して、プロセッサ単位の販売を続けているが、たとえば認証管理やポータル製品など2〜3個以上のコンポーネントを購入する顧客にとっては、従業員単位のライセンス料金を支払ったほうが、費用の節約になるという。
Sunはまた、ウェブサーバソフトウェアへの投資を増やしていると、Bauhausは語った。Sunは、同社の提供するウェブソフトウェア上で開発者がスクリプト言語を利用できるように開発ツール製品を統合した。将来的には、セキュリティとパフォーマンスに焦点をあてて強化を行うという。
Bauhausは、JavaベースのWebサービスソフトウェア市場で約1年前にSunが置かれいた立場について、「決して素晴らしいとは言えない」ものであったことを認めた。米Gartner Dataquestの調査結果によれば、2002年には、米IBMと米BEA Systemsの2社がJavaアプリケーションサーバ市場を独占しており、同市場の総売上の約3分の2を占めていたという。一方で、Sunは両者に遠く及ばない状態だった。
だが昨年、SunはWS-I(Web Services Interoperability)の役員に選出された。WS-Iは、Webサービス標準のガイドラインを発行する組織。このポジションを得たことで業界におけるSunの影響力が高まった。なお、WS-Iでは承認プロセスや投票をより透明度の高いものにしたいと考えていると、Bauhausは語った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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