米Googleには、公開企業になることを急いでいる様子はない。だが、あまり知られていない証券関連の規則により、公開企業のように振る舞うことを要求される可能性が出てきた。
証券法によると、株式発行数が一定の数を超えた非公開企業は、SECに四半期ごとのデータを提出しなければならないことになっている。もしこの法律が人気の検索エンジン企業Googleに適用された場合、同社幹部はこれまで固く口を閉ざしてきた財務情報を公開しなければならないことになる。そして、このことが、果たしてIPOするのか、するとすればいつなのかの決断を同社に強いることになる可能性もある。
1934年に定められた連邦証券取引所法(Securities and Exchange Act of 1934)によると、非公開企業は、普通株主--もしくは、ストックオプション保有者--が500人を超え、資産が1000万ドルを上回った場合、自社の財務情報を報告する義務がある。つまり、非公開企業は毎四半期、証券取引所委員会(SEC)に営業支出、収益、パートナー企業、株主やその他の細々とした情報を公開しなければならない、ということだ。そして、この報告をまとめる作業には、年200万ドル程度のコストがかかることもある。
Googleの場合、この基準がいま意味を持ち始めている。というのも、同社は昨年大きな成長を遂げ、いまや年間の利益は数千万ドルのレベルと予想されており、また従業員の数も1000人を超えているからだ。情報筋によると、3分の1は契約社員で株式購入の権利を持たないものの、少なくとも650人の従業員は株式購入オプションを保有しているという。
SECの標準では、該当する非公開企業は会計年度の終了時点から4カ月以内に報告することを要求しており、Googleの場合は4月がこのタイミングにあたる。なお、財務アナリストは、同社が2004年の春にIPOすると予測している。
以前、Google創業者のSergey Brinは、GoogleはIPOを急いでいないと述べている。同社は今回の件については、コメントを控えた。
業界関係者によると、同社は概して口を閉ざすことが多い企業で、資金調達というメリットなしに財務データを公開する可能性は少なく、この法律がIPOへの決断を促す最大要因になることはないという。より強い影響を与える要因は、投資家からの強い要求や、数億ドルを調達することでベンチャーキャピタルや従業員をなだめ、技術企業のIPO市場を活気付かせ、ライバルから身を守るのに買収を行うという展望という。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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