米VMwareは米国時間7月21日、米Intel製プロセッサ搭載サーバ上で複数のOSを同時に稼働させるソフトウェア、ESX Serverの最新版を発表した。ESX Server 2.0は、米IBMの32ウェイサーバx445などの大型システムと、IBMや米Hewlett-Packard(HP)のブレードサーバのような小型システムへの対応を向上した。
2.0では、複数のネットワークアダプターを1つのグループにまとめ、複数の仮想マシンが共有できるようにするなどの高度な機能を盛り込んだ。この技術ではアダプターのグループ全体でデータ転送を処理するため、あるアダプターに障害が起きてもシステム全体への影響を抑えられる。また、Storage Area Network(SAN)のパスフェイルオーバー機能を搭載した。これにより、メインの装置とストレージシステムに障害が起きても、バックアップルートを介してストレージシステムにアクセスできる。
VMwareはまた、アドオンのソフトウェアVirtual SMPも販売する。顧客はVirtual SMPを用いることにより、デュアルプロセッサの仮想環境を構築できる。同社は、デュアルプロセッサの仮想マシンに向けたこの戦略を2月に発表している。現在は4プロセッサの仮想マシンを動作可能なソフトウェアの開発に取り組んでおり、2004年にリリースする予定だ。
さらに同社は、従来のサーバ上で稼動するソフトウェアをまとめて仮想マシンに移行するためのツール、P2V Assistantを発売する。多くのベンダーは顧客から多数のサーバ管理が難しいという苦情を受け、仮想マシン利用を簡略化する管理ツールの開発に注力している。VMwareもこの例に漏れず、管理ソフトウェアの改善に取り組んでいる。ちなみに、P2Vは「physical to virtual」(物理的から仮想的へ)の略である。
ESX Server 2.0の価格は、デュアルプロセッサ仮想マシン用が3750ドルから。Virtual SMPの価格はデュアルプロセッサ仮想マシン用が1250ドル。4プロセッサ仮想マシン用の価格はこの2倍、8プロセッサ仮想マシン用は4倍が目安となる。なお、P2V Assistantは21日にリリースするが、価格は明らかにしていない。同社ではその理由を「全世界に発表する前に、広く普及できる価格体系かどうかを慎重に検討したい」と説明している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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