コンピュータ業界の大手企業各社が資金を出し合って運営しているLinuxコンソーシアムのOpen Source Development Labs(OSDL)は、米SCO GroupによるLinux攻撃に対して新たな反撃に出た。それは、Linuxカーネルの開発手法に対する関心を高めるための啓蒙キャンペーンだ。
Unixに関する知的財産を所有するSCOは、同OSからLinuxへの不正にコードを流用したとの疑いで米IBMを提訴し30億ドルの賠償を求めているほか、Linuxを使用している企業はSCOにライセンス料を支払う必要があるとしている。SCOの主張によると、Linuxの開発手法では、他社が所有するコードが入り込んでしまうのを防ぐことが非常に難しいという。
米国時間の11月26日に始まったOSDLのカーネル認知度向上への取り組みは、Linuxの使用によって訴訟の対象になることを恐れる企業が抱く不安を和らげるための新たな試みだ。
OSDLのCEO(最高経営責任者)Stuart Cohenは、「Linux開発プロセスに対する最近の世間の批判は、Linus(Torvalds)自身や開発者のコミュニティ全体が課している厳格さへの理解不足から来ている。これは、仲間によるレビューという科学的方法に基づいたプロセスなのだ」との声明を出している。
OSDLはまず、Linuxの開発プロセスを分かりやすく図解した資料(同団体のウェブサイトで公開中)を配付しはじめた。この資料のなかでは、仲間によるレビューの仕組みが重点的に解説されている。
オープンソースの開発プロセスは、UnixやWindowsなどで採用されている管理手法とは対極をなしている。
開発者たちは、ストレージやネットワークなど、いくつかのサブシステムを開発するチームに分かれており、各サブシステムの保守管理者(maintainer)が各グループを監督している。サブシステムの保守管理者は、提出されたコードをレビューした後、これをカーネルの保守管理者に渡してソフトウェアに組み込む。
OSDLは、SCOが7月にLinuxを提訴したことを批判する文章を公表し、SCOへの対決姿勢を示し始めた。この文章は、コロンビア大学の法学部教授で、Linuxを管理するGeneral Public License(GPL)を作成したFree Software Foundationの法定代理人を務めるEben Moglenが書いている。
さらに最近では、SCOがOSDLに所属するCohenとTorvaldsに召喚状を送付したのに対し、同研究所が両者の法定代理人の費用を負担するなど、OSDLはこの状況への関与を一段と強めている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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