大きな注目を集めている米SCO Group対米IBMの、Linuxに関する知的所有権訴訟では、いま証人召喚状が飛び交っている。両社とも、自らの訴えをサポートする情報を第3者に求めているためだ。
SCOは12日(米国時間)、同社がユタ州の連邦地方裁判所に、あわせて6件の個人および組織に対する証人召喚を求めたと発表した。米Novellと、Linuxカーネル作者のLinus Torvalds、Free Software FoundationのRichard Stallman、米Open Source Development Labsの最高経営責任者(CEO)Stewart Cohen、Transmetaの法務部長John Horsleyなどだ。
SCOの広報担当であるBlake Stowellは、召喚状の内容については知らないとしながらも、「いくつかの召喚請求が出されたことは知っている」と述べた。
いっぽうIBMでも、違法ソースコードをSCOに特定させるよう連邦判事に要求し、またSCOが召喚する企業とは別の4社を独自に証人として召喚するなど、Linux関連の知的所有権訴訟に対抗する努力をさらに広げている。
SCOは今年3月、Unixに含まれる企業秘密をIBMが不正にLinuxに取り込み、Linuxを「汚染した」として、同社を提訴していた。SCOはこれまでに、Linux 2.4および2.5カーネルのなかで、違法コードが含まれていると主張する合わせて591のファイルの名を挙げているが、これらの具体的な内容については、詳細を明らかにしていない。
IBMの召喚状は10月30日に、米BayStar Capital、独Deutsche Bank、米 Renaissance Ventures、米The Yankee Groupの4社に送られた。この4社は、SCOの主張は正当だと考えられる理由があるという立場を取っていた。IBMは、Deutsche Bankのアナリスト、Brian SkibaがSCO本社を訪問し、「Linux 2.4カーネルと(SCOの)Unix System Vカーネルのソースコードが酷似している」のを見たと報じた、「Salt Lake Tribune」紙の10月16日付の記事を引用している。BayStar Capitalは10月に、SCOに5000万ドルを投資している。
IBMはCNET News.comに宛てた声明のなかで、次のように述べている。「SCOは、いい加減に、何か意味あるものを見せねばならない。彼らはわざとぐずぐずしており、どんな動機から法廷で争おうとしているのかがはっきりしない」。IBMでは、11月3日および6日に、「SCOに、IBMの質問に具体的かつ詳細に答えるよう要求する、裁判所命令」を出すよう、法廷に求めている。
SCOのStowellは、IBMの求めに応じて、同社が約100万ページに及ぶ文書を提出していると語り、またIBMの召喚状に関しては「連中は、ゆすりと脅しという手を使おうとしている」と言及。「私の考えでは、IBMが狙っているのは、我が社への出資を検討している投資家や、ほんのわずかでもSCOに有利に聞こえる事柄を口にしたアナリストに対し、『(IBMは)お前らを召喚するぞ』というメッセージを暗に伝えることだ」(Stowell)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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