日本電気(NEC)は27日、同社が推進するITとネットワークの統合ソリューションを支えるハードウェア製品群として、新ブランド「UNIVERGE(ユニバージュ)」を確立したと発表した。今後既存の製品を徐々にUNIVERGEブランドへと統一していくとともに、より統合されたシステム運用管理ができるよう機能を強化していく。
NEC執行役員常務の木内和宣氏が説明するところによると、UNIVERGEは「Universal(普遍的・世界的)」と「Convergence(集中・統合)」を組み合わせた造語で、「ITとネットワークをオープン技術で統合して新たな価値を創出し、全世界に展開していくという意味が込められている」という。UNIVERGE製品群と、ウェブ会議システムや業務システムなどを連携し、効率のよい業務連携を実現する。「次世代の経営スタイルとして必要なのは、自社のコアコンピタンスを磨きながらパートナーと柔軟に協調・協働し、変化に対してダイナミックな対応ができるビジネス形態だ。これをわれわれは“Dynamic Collaboration”と呼んでいる。ITとネットワークの統合は、まさにこのDynamic Collaborationを支えるものだ」(木内氏)
同ブランド名で提供される製品群の第1弾としてNECでは、VoIPサーバ「UNIVERGE SVシリーズ」、高速アクセスルータ「UNIVERGE IXシリーズ」、マルチレイヤスイッチ「UNIVERGE IPシリーズ」、無線LAN「UNIVERGE WLシリーズ」、モバイルIPシステム「UNIVERGE MBシリーズ」、次世代ネットワークサーバ「UNIVERGE iExpress5800シリーズ」を用意している。新製品となるモバイルIPシステム以外の製品は、同社が既に別ブランド名販売していたもので、今後はUNIVERGEブランドとして提供することになる。同ブランド傘下では、API(Application Program Interface)の共通化や、統合運用管理ミドルウェアと連携した一元管理機能の提供を進める予定だ。
NEC執行役員、山本正彦氏 | |
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NEC執行役員の山本正彦氏によると、これまではハードウェア同士を単に結合していただけだったが、今回の同社の取り組みではミドルウェアも含めたトータルな統合ソリューションを提供することになる。具体的な企業へのメリットとして同氏は、「例えば通常の電話をIPに変更することで、通信コストは2〜3割削減できるだろう。また、これまで個別に管理していたシステムを統合していくことで、運用コストも2〜3割削減できることを目標としたい。また、業務における数十分単位のロスについても、数千人規模の従業員を抱える企業であれば億単位の人件費削減が可能だ」としている。
UNIVERGEブランドとしての売上高の目標については、「製品だけで提供するわけではないので具体的な金額を出すことは難しい」(山本氏)としながらも、今後3年間で12万台の製品を販売していきたいとしている。なお、同ブランドは世界共通ブランドとしてグローバルな市場展開を行う予定で、海外での販売目標台数は「今後3年で1万台」とのことだ。
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