日本電気(NEC)は26日、ITとネットワークの統合ソリューションを提供するにあたってのマスコミ向け説明会を行った。同社は、オープンミッションクリティカルシステムのIT領域と、通信ベンダーに向けたネットワーク領域で培った経験を活かし、両技術を組み合わせたソリューションを提供する。現行のIT顧客およびネットワーク顧客に新たなソリューションを提供することでシェアを拡大したい考えだ。
NEC執行役員常務の木内和宣氏によると、同社はIA64サーバ、PCサーバ、3Gインフラ、地上波デジタルの基盤設備といったプラットフォーム製品の多くでシェア1位となっており、さらにはIT領域のソリューションとして八千代銀行のオープン勘定系システムを導入、ネットワーク領域のソリューションとしてはNTTドコモやボーダフォンに3Gインフラシステムを導入するなど、数多くの実績を誇っている。現在同社が抱えるIT領域の顧客は合計10万社、ネットワーク領域の顧客は主要キャリアや放送局のすべてを含み、東証一部上場企業だけで600社にのぼるという。
これら既存の顧客に対し、ITユーザーにはネットワークソリューションを、ネットワークユーザーにはITソリューションを提案していく。
NEC執行役員常務の木内和宣氏
すでにNECでは、ユーザーのTPOに合ったコンテンツ配信ソリューションとして、顧客からのコンタクトに担当者が確実に返答することが可能となる「呼び返しサーバ」を伊勢丹に導入したのをはじめ、品川の巨大ビル、グランド品川コモンズの入居企業約8割に対し、企業内通信網をVoIPで構築するといったことを行っている。ほかにも、広域LANとIP-VPNに対応したネットワークの構築や、ICタグを組み込んだ商品の物流管理を行う生鮮品トレーサビリティ支援サービスなど、数々の事例を紹介した。
技術的な面では、運用管理ミドルウェアとインフラ構築基盤を、同社のソフトウェアソリューションであるVALUMOウェアに1本化していくという。「今後のネットワーク系システム構築にはVALUMOウェアを適用し、オープン製品ベースでより信頼性の高いスケーラブルなソリューションを提供する」と、同社ソフトウェア事業ライン支配人の丸山好一氏はいう。同氏は融合ミドルウェアの主な強化点として、IPベースのネットワーク環境における信頼性・運用管理性の向上、制御サーバシステムの高信頼性・高可用性の実現、アクセス網の充実による端末の多様化への対応力強化、音声(VoIP)とデータ統合の強化などをあげている。
なお、NECではVALUMOの開発コストを年間約100億単位で見積もっており、開発部隊となるシステムソフトウェア事業本部は数百名の規模で行っているとのことだ。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス