シスコ・リンクシスは11月27日、中小企業向けのネットワーク関連製品5機種を発表した。同社が国内で中小企業向けに製品を発表するのは今回が初めてという。
シスコ・リンクシスは一般消費者向けにネットワーク装置を製造・販売している企業。2003年3月に米Linksysが米Cisco Systemsに買収されたことから、日本でもシスコシステムズの一部門として製品の開発・販売を行っている。
今回発表された製品は、無線VPNブロードバンドルータの「WRV54G-JP」(予想価格は2万8800円)、デュアルWAN VPNルータの「RV082-JP」(8万8000円)、ファイルサーバの「EFG120 -JP」(予想価格は10万5000円)、スイッチングハブの「SD/SRシリーズ」10製品(3900円から)と、ケーブルテレビ事業者向けの無線ケーブルモデムゲートウェイ「WCG200-JP」の合計5機種。いずれも12月上旬の発売を予定している。
無線ケーブルモデムゲートウェイ「WCG200-JP」 | |
---|---|
「WRV54G-JP」は802.11g対応のルータで、国内向けにデザインを重視し、縦置きのできるデザインにした。また無線LANの多機能化に合わせ、設定画面のデザインを変更したという。
「EFG120-JP」は120GのHDD2台を標準装備しており、データのバックアップを自動的に行える点が特徴だ。中小企業では専任の管理者を置くことが難しいことから、簡単にバックアップを行えるファイルサーバには大きなニーズがあるとシスコ・リンクシスでは見ている。
「WCG200-JP」はモデム、ルータと無線機能を一体化したゲートウェイで、インターネット接続サービスを提供するケーブルテレビ事業者に向けて販売していく。シスコシステムズはケーブル事業者向けのケーブルモデム終端システム「uBR」を提供しており、両社の合併効果が期待できる分野だとした。
国内未発表のワイヤレスメディアアダプタ。テレビに接続するための端子を背面に備える | |
---|---|
シスコ・リンクシスでは今後、国内市場に合わせた製品の投入に力を注ぐ方針だ。2002年におけるLinksysの売上高は4億5000万ドルだったが、その90%は米国に依存しているという。今後は大きな成長が見込まれる欧州とアジア・パシフィック、特に日本と中国の市場開拓を積極的に進めていく。
日本では、6月に販売を開始した国内向けの独自製品である小型ブロードバンドルータの「BEFSR41C-JP」が、1つの型番だけで全ルータ製品の3%のシェアを占めたという。この成功事例を元に、今後も国内のニーズに合わせた独自商品の開発に力を入れていく方針だとした。
具体的な今後の売上目標値などは明らかにされなかったが、国内の無線LAN機器市場において3位以内に入ることを目指しているという。発表会の会場では今後発表予定の新製品として、テレビやゲーム機、HDDレコーダなどと接続して映像や音声などを楽しむための無線LAN機器が多数展示され、家庭内のあらゆる機器を無線でつないでいく姿勢を強くアピールしていた。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス