米シスコ、大企業向けのWi-Fi機器を発表

 米カリフォルニア州サンノゼ発--米Cisco Systemsは12日(米国時間)、IEEE 802.11g標準準拠の、これまでより高速なWi-Fi対応ネットワーク機器を発表した。この製品は大企業向けで、Ciscoでは、無線ネットワークの構築に対する大型の投資を控えていた企業ユーザーを、この新製品で取り込もうとしている。

 当地で行われたプレスカンファレンスのなかで、Ciscoは802.11gアクセスポイントとアップグレードキットを今月中にも発売すると語った。Cisco Aironet 1100アクセスポイントは599ドル、同1200シリーズは899ドル、アップグレードキットは129ドルとなる。さらに同社は、ノートPCやデスクトップPC用の802.11a/b/g複合型ネットワークカードを、2004年第1四半期にリリースする予定だという。同カードはノートPC用が169ドル、デスクトップPC用が249ドルになる見込みだ。

 Wi-Fi機器を求める最大の顧客は、現時点では自宅にブロードバンドを持ち込もうとするコンシューマユーザーである。しかし、Ciscoのシニアバイスプレジデント、Larry Birenbaumの話では、セキュリティ問題が解決しつつあり、またIT投資に対するリターン(ROI)が改善し始めているため、最終的には企業ユーザーのほうが、Wi-Fi機器に対してより多くの金額を使うことになると、同社では予想しているという。

 802.11g標準に準拠したネットワーク機器は、まだビジネスマーケットへ食い込み始めたばかりだが、業界アナリストは同規格が現在市場を占有している802.11b標準に取って代わるものになると予想している。802.11gの高速なスループットにより、リアルタイムのビデオストリーミングなど、広帯域を要求するアプリケーションの利用が可能になるからだ。2003年6月に正式に承認された802.11gは、最大54Mbpsの通信速度を実現するが、これに対して802.11bの通信速度は11Mbpsだ。

 もう1つの標準規格である802.11aもまた、ビデオストリーミングを行うのに十分な速度を備えている。だが、802.11gとは異なり、同標準は802.11bとは互換性がなく、それが同規格のみをサポートした製品選択の妨げる要因ともなっている。

 今年Ciscoは、同社の企業顧客への最新技術導入を狙ったCisco Compatible Extension Programを立ち上げている。同プログラムは、セキュリティ向上や侵入者への防御、無線ネットワークにおける音声管理機能の向上に焦点を当てたものだ。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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