韓国Samsungが、米Intelを抜き、フラッシュメモリの出荷額で世界1位になった。成長を続ける市場の傾向を反映しためずらしい出来事といえる。
調査会社のiSuppliによると、Samsungは今年第3四半期に約6億1500万ドル相当のフラッシュメモリを販売したが、これは昨年同期の50%増になるという。この売上急増により、Samsungのマーケットシェアは20%となり、この分野で首位に立った。
2位は売上高5億3200万ドルの東芝で、前年比61%増加し、またシェアは17.3%だった。合併の完了した米Advanced Micro Devices(AMD)と富士通のジョイントベンチャーであるSpansionは、売上3%増の4億2400万ドルで、13.8%の市場シェアを獲得した。
過去数十年間、首位を守ってきていたIntelは、売上が前年比4%減の4億1600万ドルでとなり、4位に転落。なお、iSuppliによると、第3四半期のフラッシュメモリ全体の売上は前年比27%増の31億ドルだという。
「Intelが、四半期単位でフラッシュメモリメーカーの1位にならなかったのは、今回が初めて」(iSuppli)
この変化は、潜在需要のトレンドの変化と、それを読み間違ったIntelの重大な判断ミスの結果といえる。
Samsungと東芝の主力製品はNAND型のフラッシュメモリ。これに対して、IntelとAMDは主にNOR型フラッシュを製造している。
NANDは「N and」の略で、データを取り出す手法を指す。これらのチップはNOR(N or)チップより多くのデータを保持でき、同容量のものでは製造コストが安い。但し、NORの方がデータの破損には強い。
iSuppliによると、NANDは、急速な成長を続けるデジタルカメラのフラッシュカードおよびMP3プレーヤーという2つの市場で使われており、いっぽうNORの方は、成長が比較的緩やかな携帯電話やセットトップボックスでの情報保持に利用されているという。
これら2つのアーキテクチャは直接競合することがあまりなく、Samsungおよび東芝の伸びが大きく伸びたのは、2種類のチップが利用されている市場での差がよるところが大きい。たとえば、SamsungはNokiaに携帯電話用のフラッシュメモリを供給する契約を結んでいるが、この際に供給されるのはNOR型のほうである。
「NAND型の出荷数は、第3四半期に30%増加し、1億3200万枚となった。同時に、出荷された製品の総容量も76%と大きな伸びを示した」(iSuppli)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」