米Sun Microsystemsは17日(米国時間)、Java Card技術の利用促進を目的とした、同技術の低価格版、Java Card Sの提供を発表する予定だ。
現在Java Card技術は、より高性能な「スマートカード」に利用されている。スマートカードは外見上クレジットカードに似ているが、中に小型プロセッサを搭載しており、いくつかの基本的な演算処理が可能。Sunの新しいJava Card S計画の目的は、扱える機能が一定数に限定されているローエンドクラスのスマートカードで、同社のJava技術の利用を拡大させることにある。
Java Card Sのライセンス料は通常のJava Cardに比べ割安だが、Sunの代表は価格の詳細については明らかにしなかった。
Java Cardは言わば、必要最低限のJava技術を備えた小型コンピュータだ。Java技術を使用することにより、同じプログラムを様々なコンピュータ上で動作させることができる。スマートカードの分野では、Java技術を使って、ユーザーの認証や暗号化したデータの保存といったタスク向けに、スマートカード用プログラムを記述することができる。
Sunにとって、Java Cardの販売は主要な収入源ではなく、むしろJava Cardを使ってログインするユーザーの認証といった、バックエンドタスクを処理するためのSun製サーバを企業に購入させることが狙いだ。事実、Sunはこれらのタスク向けに設計されている専門のサーバソフト製品群、Java Card Systemを2004年に発表する予定だ。
Sunは長年、Java Card技術を後援してきた。Sunの推計によると、これまで同社が出荷したJava Cardの総数は4億枚で、その半分以上は携帯電話のSIM(加入者識別モジュール)カードに使用されている。
Sunは、Javaを使ってMicrosoftの躍進を阻止する取り組みを進めており、Java Cardの販売もその一環といえる。Microsoftは、Windowsや最近では.Netソフトインフラで動作するソフトを人々に開発してもらいたいと考えているが、SunはJavaの方が土台として、より確立されていると主張する。Sunはその証拠として、サーバ上でJava 2 Enterprise Editionが幅広く利用されていること、米Hewlett-Packardや米DellなどのメーカーがWindowsを搭載したデスクトップコンピュータにJavaを組み込むことで合意していること、これまでJavaに対応した携帯電話が数百万台も販売されていること、の3点を挙げた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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