米Motorolaは、ワイヤレスチップメーカーの米XtremeSpectrumを買収した。同社では、この超高速なワイヤレスブロードバンド技術で市場に参入する体制が整うが、同時に標準化に伴う頭痛の種を背負い込むことになるかもしれない。
Motorolaは10日(米国時間)、XtremeSpectrumを買収したと発表した。この買収の金額は明らかにしていない。
Motorolaはこれまで、XtremeSpectrumの開発したUltrawideband (ウルトラワイドバンド:UWB)技術をサポートしてきている。UWBは、Bluetoothのライバルとなる無線通信技術で、100Mbpsという高速でデータを転送できるもの。これだけの転送速度なら、帯域幅を大量に必要とする動画や音楽の転送にも充分で、UWBの支持者は、将来ステレオ、TV、そしてコンピュータや携帯機器でこの技術が使われると予想している。
米Allied Business Intelligenceでは、UWB標準をめぐる争いに勝ち抜いた技術は、2007年までに約13億9000万ドルの収益を生み出すと見込んでいる。
XtremeSpectrumは、同社の開発した技術をUWB標準として採用するようIEEE(米電気・電子通信学会)に提案しているが、しかし厳しい戦いに直面している。
同社にとっての唯一の競合相手は、MultiBand OFDM Allianceだ。この団体には、最近加わったフィンランドのNokiaも含め、技術業界の大手企業34社がメンバーとして参加している。最近IEEEが開催したUWBタスクグループの会合では、同団体の提案した標準が、過半数を得票した。ただし、この投票結果は承認に必要な75%に達していないことから、決定的なものではない。
IEEEのタスクグループは、ニューメキシコ州で10日から会合を開いており、近日中に再投票が行われると見られている。
Motorolaのバイスプレジデント、Omid Taherniaは、XtremeSpectrumの製品は、この主のものとしては初めてメーカーに出荷されたチップであり、同社チップを搭載した製品は、ライバル社にさきがけて少なくとも今後2年以内に登場予定だと述べている。
Multiband OFDM AllianceでUWB開発マネージャを務める米Texas InstrumentsのSteve Turnerは、XtremeSpectrumのほうがスタートが早かったことを認める。だが、自分たちのグループが提出した競合する標準案に対しては、多くの業界大手企業が支持を表明しており、これに対抗するには、スタートが早かっただけでは充分ではないという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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