4月9日から11日まで浦安の東京ベイヒルトンホテルで行われたインテル・デベロッパ・フォーラム(IDF)2003 Spring Japan において、最終日の4月11日、インテル・フェロー兼コーポレート技術本部コミュニケーション&インターコネクト技術ディレクターのケビン・カーン氏が同社の研究開発部門の取り組みについて講演した。
今回のIDFのテーマは「コンピュータと通信の融合」とされているが、「問題は、どんなインパクトがあるかということだ」(同氏)と指摘する。融合された技術が社会や人々の行動に与える影響こそが重要だとした上で、「現在の業界の取り組みはまだまだこれからだ」(同氏)とした。
現在、インテルが特に注目しているのは医療分野だという。今後、米国を初めとした先進国では高齢化に伴って医療の問題が大きくなる。そこでは、ネットワークを介した医療や看護が重要になるというのだ。そのために必要な技術として、同社が力を入れているのがセキュリティの高い通信技術だ。
ケビン・カーン氏 | |
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今回の講演ではウルトラワイドバンド(UWB)のデモンストレーションが初めて公開された。UWBとは短距離の無線高速通信の方式。米国では1年前から商用利用が認められているが、日本ではまだ認可が下りていない。今回はデモのために特別に許可が出た模様だ。
UWBのデモの様子。約1メートル先に同様の端末が置かれ、通信速度が計測されている。
具体的には、家具や食器などあらゆるものに通信機能をつけ、離れた場所からでも相手の様子が確認できるといった用途を考えているという。UWBは通信距離が短いため家庭内の利用に適しており、「データの通信を家庭内にとどめれば、セキュリティの問題も解決する」(同氏)と話した。
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