「授業料を勝手に使うな」:米大学生、ナップスターとの契約で大学側に抗議

 米ペンシルバニア州立大学の学生は、大学側が新たに米Napsterと結んだ取引は、自分たちの納める授業料の乱用だとして、怒りもあらわに抗議している。

 米国時間6日に鳴り物入りで発表された新しいサービスは、、大学およびNapster側の説明によると、Kazaaやその他のファイル交換ネットワークを利用して音楽を違法でダウンロードする学生に、合法的な選択肢を提供するものだという。

 このプログラムでは、学生はNapsterの音楽配信サービスにアクセスできることになるが、ここで発生する料金は全て学期毎に約160ドルずつ納めている「IT利用料」の一部から出される。だが、学生のなかには、こうした授業料の使われ方について、それが支払いを義務付けられたものであり、しかも自分たちには使途を管理する術のないものであるため、不適切だとする声が上がっている。

 同大学4年生のJoe Jarzabは、CNET News.comへの電子メールで次のように書いている。「私の学費は、ネットワークを再構築するとか、研究所の設備を改善するなど、もっとましなことに使うことだってできる。私が話をした学生のほぼ全員が、自分たちのお金が望みもしないプログラムに使われ、自分たちの合意なしに音楽業界に流れることに憤慨している」。

 このペンシルバニア大学の新プログラムは、今後次々に登場すると予想されるパイロットプロジェクトのさきがけとなるもの。各大学は長い間、学生がファイル交換ソフトを利用する法的リスクを最小限に押さえ、同時に音楽や動画のダウンロードによりネットワークにかかる負荷を低減しようと、そのための方法を探ってきた。多くの大学は現在、合法的な音楽サービスが答えとなると見ている。

 ペンシルバニア大学プレジデントのGraham Spanierと、全米レコード協会(RIAA)会長のCary Shermanは、産業界と学界による合同委員会の議長を共同で務めており、この委員会は合法音楽サービスをキャンパスにもたらす可能性を精査している。ペンシルバニア大学とNapsterとの契約は、同委員会での討議のなかから実現した初の取り組みとなる。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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