米国の各大学がキャンパス内で有料音楽サービスの提供を検討

 米国の各大学が、学生寮に合法的なインターネット・ジュークボックスを導入する方法を検討している。この中には、商業的サービスプロバイダとの契約も含まれており、サービス料については、授業料に含まれるか、あるいは大学自らが徴収することになりそうだ。

 この取り組みはいくつかの分野で進められているが、なかでも最先端は、大学や娯楽業界の関係者で構成される委員会の取り組みで、現在各大学に代わって音楽サービス会社から情報を集めている。試験的プロジェクトは今秋開始予定だが、内部関係者によると来年まで延期される公算が高いという。

 この取り組みについて、レコード業界関係者ならびに各音楽サービスは、学生たちに無料ダウンロードサービスの利用を止めさせる有望な手段と見ており、また音楽業界や初期段階にある業界のオンライン関係の取り組みにおける、潜在的に重要な新しい収入源を作り出す方法としても期待している。

 大学、娯楽企業、オンライン音楽配信サービス会社間の試験的協議は、かつてNapsterがそうであったように、音楽を聴いたり消費するパターンを大きく変える可能性を秘める、一連の段階の第一歩となる可能性がある。

 お金はほとんどないが、コンピュータや高速ネットワーク接続を容易に利用でき、できるだけ多くの音楽を聴きたいという欲求を持つ学生たちが、Napsterやそれに続く類似サービスが提供した、驚くほど豊富な音楽ファイル交換用プラットフォームを利用するようになったのは、当然の成り行きだった。ファイル交換サービスの批判者たちは、音楽に料金を支払うという概念は、ある世代全体にとって前代未聞の事柄になるのでは、との懸念を示した。

 この新計画の支持者たちは、合法的かつ無制限に利用可能な音楽サービスに助成金を出して、これを提供することで、学生たちの間で音楽サービスへの加入が習慣化し、その消費パターンも合法的な方向にシフトしていくことを期待している。

 大学関係者たちは短期的な目標も掲げている。大学内部のネットワーク上でファイル交換サービスの利用が蔓延すると共に、予測できないデータトラフィックが発生し、その結果学生だけでなく大学自体も法的責任を問われかねない事態に陥った。一部の大学の管理者たちは、合法的なサービスを提供することにより、この悩みが解決できると信じている。

 「(この取り組みは)いずれうまく行くだろう」と語るのは、ペンシルベニア大学ウォートンビジネススクール(Wharton School of Business)のPeter Fader教授だ。Fader教授は、大学の管理者たちに対し、自主的にキャンパス内での有料音楽サービスの提供を促してきた。「あとは、どこの大学が一番最初に、最高のサービスを提供するかだけの問題だ」(Fader)。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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