米Hewlett-Packard(HP)は今月、企業向けの最新ブレード型コンピューティングシステム、Consolidated Client Infrastructure(CCI)を正式発表する。CCIの狙いは、企業のデスク上からデスクトップPCを撤去することだ。
CCIでは、ユーザのデータやソフトウェアは、中央で管理するラックマウント型のブレードコンピュータやストレージ機器で処理/保存される。個々のユーザーは携帯端末やキーボード、ターミナル、パソコン、ノートパソコンなどからこのデータを操作できる。
このシステムでは、どのユーザーも、自分に割り当てられたフル装備のWindows XPパソコン--但しその本体は物置の中にある--で作業するという点で、ターミナルシステムやシンクライアントシステムとは異なっている。ターミナルシステムでは、ユーザーはサーバスペースの一部で作業する形になる。
このように、コンピュータの計算能力を整理することで、IT管理コストを削減できるだけでなく、パソコンが故障しても個々のユーザーがオンラインに復帰するのがずっと簡単になる、とCCI推進派は主張している。
最初にブレード型デスクトップシステムを発売したのは、新興会社の米ClearCube Technology(テキサス州オースティン)だ。同社はこれまでに、金融機関や一部の軍施設にブレード型デスクトップシステムを納入している。米IBMはClearCubeのシステムを再販しているが、独自のブレード型デスクトップシステムを開発・販売する大手メーカーはHPが初めてとなる。ブレードという概念は、今のところ、主にサーバや通信機器などを効率よくラックに押し込むという意味で使われている。
HPがブレード型デスクトップに関心を寄せていることは、今年5月に初めて明らかになった。同社は、11月16日(米国時間)からラスベガスで開催される毎年恒例の見本市「Comdex」で、CCIについて話をすると見られている。HPはComdexの会場で、機密保持契約のもと、「より管理しやすく柔軟で、長期的なコスト削減につながる、新ビジネスコンピューティングモデル」を議論する、という声明を発表している。
HPにコメントを求めたが応じられなかった。同社は通常、未発表の製品については一切コメントしない。
HPは、CCIによって、デスクトップ管理コストを最大50%削減可能とし、この点を大きく打ち出してくると見られているが、ただしハードウェアは決して安くはない。ある情報筋の話では、米Intelの1GHz Pentium Mプロセッサとハードディスクを搭載したブレードシステムの価格は、約2000ドルだという。米Transmetaの1.8GHz Efficeonプロセッサを搭載したブレードは、約1000ドルだ。
なお、HPはデータアクセス用として、企業にHP製端末の採用を勧めている。この端末にも、Transmeta製プロセッサが使用されている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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