Hewlett-Packard(HP)がブレード型デスクトップシステムの開発を進めている。このシステムではパソコンはデスク上ではなくコンピュータルームに置かれることになる。
ブレード型デスクトップシステムは、中央管理型コンピューティングシステムと使いなれたパソコン機能の両者の利点を組み合わせることを目的としている。このシステムでは、各企業の社員のデスク上にはキーボード、モニター、ドッキングステーションのみが置かれ、コンピュータはIT(情報技術)管理者が管理する中央管理室内の高さ6フィートのラックに収容される。
同システムの提唱者によると、このシステムの主な利点はその管理のしやすさにあるという。コンピュータが故障したり、新たなソフトウェアパッチを当てる必要性が生じた場合に管理者はオフィスにいながら対応できる。社員をある場所から別の場所に移動させるとか、パソコンを交換する必要が生じた場合には数本のケーブルの配置を入れかえさえすればいい。
「(ブレード型システムを採用することにより)管理コストを削減できる」とTechnology Business ResearchのアナリストBob Sutherlandは語る。「システムがダウンしても管理者はより簡単に再起動させることができる」。しかし、そうなると顧客ベース全体は縮小しそうだ。
また、これらのブレード型コンピュータはハードドライブ、プロセッサ、メモリを備えた完全なパソコンだ。それとは対照的に、数年前注目を集めた小型軽量(=シン)クライアントにはハードドライブが備わっておらず、単体ではほとんど何も処理できないため、これらのタスクをサーバやストレージシステムに依存している。
HPにこの計画についてのコメントを求めたが、同社から返答の電話はなかった。しかしHPに近い情報筋の話によると、同社はブレード型デスクトップシステムを今年中に発売予定で、現在開発を進めているという。
来週、HPのCEO、Carly Fiorina以下同社の幹部数名が、大企業、大学、政府関連機関などの企業顧客獲得に向けた戦略の概略を説明する予定。確かに大企業や大学などはブレード型PCのターゲットであるが、そのイベントでHPがブレード戦略について議論するかは定かでない。
ブレード型サーバについては2年以上前からHP、Dell Computer、IBMなどのPCメーカー各社が盛んに売込みを行っているが、デスクトップPC向けのブレード型システムを発表した多国籍企業は今のところない。これまでPC向けブレードシステム市場はテキサス州オースティンに本社を置く新興企業ClearCubeがほぼ独占してきた。
販売量こそまだわずかだが、有名顧客企業数社がClearCube製PCのテスト/導入を進めており、その中には北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)や金融サービス企業各社も含まれている。
Bear StearnsのアナリストAndy Neffは「(PC向けブレードシステムは)大変興味深い概念だ。コールセンターで大きな威力を発揮するだろう」と述べる一方、最終的にどの程度の売上げが見込めるかは不透明、と述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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