サイボウズは11月4日、8つの地方建設業団体と協力し、地場の中小建設企業に対してグループウェアの普及を支援する「地方建設業界IT化プログラム」を開始したと発表した。サイボウズは建設業界にイントラネットの利用を啓蒙し、ビジネス拡大を狙う。
具体的には、8団体に対して「サイボウズOffice 6」を無償で利用できるようにするほか、各団体が主催するイントラネットの利用に関する勉強会に対して、コンテンツやノウハウを無料で提供する。
サイボウズでは地方建設業団体内にOffice 6を導入することで利用を広め、最終的には参加企業による同製品の購入へとつなげたい考えだ。まずは団体参加企業のイントラネット利用率を高めることを目標とし、現在10%強の利用率を1年で2倍にする。「情報共有ツールがいかに役立つかを知ってもらいたい。イントラネット製品にはもちろん他社製品もあるが、啓蒙活動を通じて結果的にビジネスが広がっていくのではないか」(サイボウズ代表取締役社長の高須賀宣氏)
地方建設業団体の代表者と握手を交わすサイボウズ代表取締役社長の高須賀宣氏(左端) | |
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今回のプログラムをサイボウズが開始した背景には、同社の従来のビジネス手法が限界に来ていることが挙げられる。サイボウズのOfficeシリーズは1997年の発売以来ダウンロード型の直販手法で規模を拡大し、現在は国内の企業ユーザー数が約140万人になったという。「2002年には国内シェア第2位のところまできた」(高須賀氏)。現在も月々2〜3万人のペースでユーザー数は伸びているというが、ダウンロードによる購入者は減少傾向にあると高須賀氏は話す。
そこでサイボウズでは、特定の団体と協力体制を結ぶことで、新たな需要を発掘していく考えだ。高須賀氏によると地場の建設業界はCADデータのやりとりが日常的に行われているためOA化が進んでおり、企業規模が50人〜100人と小規模であることから、Office製品がターゲットとする規模と一致するという。また公共事業投資が縮小していることから建設業界には効率化と競争力強化が求められており、グループウェアが有用だと判断したという。
サイボウズでは今回のプログラムと並行し、流通体制の強化を図る。具体的には流通パートナーに対して支援を行い、地方の販売代理店にOffice 6販売の働きかけを行っていくとしている。
なお、今回サイボウズと協力関係を結んだ団体は、岩手県建設業協会、岐阜県郡上建設業協会、新潟県電気工事工業組合、鹿児島県建築協会、岐阜県建築士事務所協会、岐阜県建築工業会、兵庫県建設業協会淡路本部、岩見沢建設協会の8団体。
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