中国の複数のグループが、DVDフォーマットのハイエンドを補完する完全な仕様の来月リリースを目指している。
新華社通信の伝えたところでは、EVD(Enhanced Versatile Disc)と呼ばれるこの新しいフォーマットは、EVDプレーヤでのみ再生が可能で、DVDムービーの5倍の画質を持ち、またコンピュータデータの記憶容量もDVDより大きいという。
一般消費者向けの初のEVDプレーヤは来年中国で登場する。記憶容量、オーディオ/ビデオファイルの圧縮フォーマット、そして読み込み用レーザーのタイプなど、同フォーマットに関する詳細は、現在までのところ明らかにされていない。
EVD標準の開発は1999年に始まり、それ以来いくつかの案が発表されたが、すべてリリースには至っていない。
新華社伝によると、中国で開発されたEVD標準は、ライセンス料の支払額を減らし、「生産現場における外国産技術への依存を絶つ」ために政府が支援する、複数のプロジェクトの1つだという。
EVD標準は、現時点ではユーザーがデータを記録できる書き込み可能なフォーマットではないようで、HDTV所有者向けにDVDムービーフォーマットを補完することを狙っている。また、EVD向けコンテンツの提供についても、映画配給会社との話し合いが進められている。
中国製DVDプレーヤの平均コストが約85ドルであるのに対し、EVDプレーヤの価格は約240ドル。なお、中国製の家庭用DVDプレーヤは世界市場の最大7割を占めており、昨年は3000万台以上のDVDプレーヤが中国で生産された。
新華社通信によると、中国のメーカー各社は、ローエンドでの価格戦争からの脱却と高付加価値市場への参入が期待できるこの新フォーマットを歓迎するだろうという。
中国国外でも、ライバル企業がDVD技術推進に向けて同じような大容量光ディスクフォーマットの開発を進めてきている。
Blu-rayというDVD-R標準は、日立、韓国LG Electronics、松下電器産業、パイオニア、蘭Royal Philips Electronics、韓国Samsung Electronics、シャープ、ソニー、および米Thomsonなどの企業各社によって普及活動が展開されている。
Blu-ray技術は、12センチディスクの片面に最大27Gバイトを記録できる設計になっている。同技術は、データの読み取りに現行の光ドライブが採用している赤色レーザーではなく、短波長の青紫色レーザーを採用している。
業界団体China Audio Industries Association(CAIA)のDing Kangyuanは、EVD製品が3年以内に中国に登場すれば、少なくとも一般家庭市場ではBlu-rayを出し抜けると考えていると語った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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