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「IT関連の仕事は、いつか米国に戻ってくる」-米IT業界識者

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 サンフランシスコ発--「IT関連の仕事が海外へシフトしていることに起因する、米国内の雇用の減少は、米国人労働者にとって苦痛に満ちたものかもしれない。しかし、それは一時的なものに過ぎない」--21日(米国時間)に開催された公開討論会では、IT企業の幹部の中から、このような声が聞かれた。

 パネリストとして討論会に参加した、米Borland、米BearingPoint、米Infosysの幹部、そして米商務省の官僚らは、米国企業が海外へのITアウトソーシングによる経費削減で浮いた資金をゆくゆくは再投資に回し、国内事業の拡大を進めるようになると自信を示した。また、それが将来国内で雇用を生み出すことにつながるという点で、意見が一致した。

 「長期的な成長に注目する必要があり、短期的に効果があるからといって、保護主義的なアプローチをとってはいけない」と、商務省のテクノロジー政策担当次官補代理、Chris Israelは述べ、ブッシュ政権が労働力の海外シフト傾向を抑制するために、関税などの政策を導入することに反対する理由を説明した。

 また、ベビーブーマー世代が高齢化し、退職年齢に近づいていることから、米国は再び労働力不足の時代を迎える可能性がある、とスタンフォード大学名誉教授でBorland Software会長のWilliam Millerは指摘した。また、仕事を失ったIT労働者は職業訓練を受ける必要があり、さらに新しい仕事を見つけるためには、新天地に移ることも辞さない覚悟を持つべきだと語った。

 「引越しの準備をしておくべきだ」とWilliam Miller。「転居の覚悟を持つことは、将来の労働者に要求される条件のひとつとなるだろう。仕事のある場所に進んで移らなければならない」(Miller)

 パネリストは、労働力の海外シフトのメリットを擁護する一方で、いくつか悩ましい問題があることも認めた。ひとつは、米国企業が知的財産やその他のセンシティブな情報を、海外企業やその労働者に安心してゆだねられるかという問題だ。今回の公開討論会を主催したInformation Technology Association of AmericaのプレジデントHarris Millerによると、一般的にインドの企業は、守秘義務を課する厳格なルールのもとでビジネスをしているが、それに対して中国では、知的財産に関する問題が多発しており、信頼性が大きな懸念の材料になっているという。

 もうひとつは、殊に賃金の面で比較的恵まれている米国人労働者が、IT関連のスキルを求める世界市場のペースについていけるかどうかという問題だ。スタンフォード大学のMillerは、米国内の有名大学の科学技術系大学院プログラムでは、外国人学生の占める割合が、ますます高くなっていると述べた。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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