フリービットは10月21日、中小企業向けのIPセントレックスサービス「FreeBit OfficeOne IPビジネスホン」を12月より開始すると発表した。次世代インターネットプロトコルであるIPv6をベースに、専用線を引くことなくIP電話が利用できるようにする。2004年に20億円の売上を目指すという。
IPセントレックスサービスは通信事業者がIP網を利用して企業内のPBX(電話交換機)機能を提供する法人向けIP電話サービス。現在多くの通信事業者がサービスの提供を始めており、NTT東西も参入を表明している。しかしこれまでは新たに専用線を引く必要があるなど、大企業でないと導入が難しかった。
フリービットではNTT東西が提供するFTTHサービスのBフレッツを利用し、中小企業でも低コストで利用できるようにする。IPv6を使うことでセキュリティを高め、通常のブロードバンド回線でもIPセントレックスサービスが利用できるにしたという。利用時にはフリービットの専用ISPに加入する必要があるが、サービス利用料も含め「月額数千円から1万円程度で利用できるようにする」(フリービット代表取締役副社長兼最高業務責任者(COO)の田中信明氏)。システムとしては、岩崎通信機から提供される専用電話機、ヤマハのIPv6対応VoIPゲートウェイ、横河電機のIPv4/IPv6スイッチングハブが必要となる。
システムは専用電話機(左)、VoIPゲートウェイ(右下)、IPv4/IPv6スイッチングハブ(右上)で構成される | |
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電話番号は050から始まる11桁の電話番号のほか、既存の03で始まる10桁の番号も利用できる。海外や携帯電話にも発信が可能だが、110番や119番にかけることはできない。通話料は国内一律3分8円。同サービスを利用している企業同士であれば通話は無料という。
フリービット代表取締役社長兼最高経営責任者(CEO)の石田宏樹氏は今回のサービスについて、「電話としてIPv6環境がオフィスに入る。IPv6のリアルビジネス化を我々が世界で初めて実現した」と自信を見せた。
販売はパートナー企業と合弁で設立する代理店を通じて行う。現在すでに全国規模で企業向け電話機を販売しているディーラー数社とパートナー契約を結ぶ方針だ。すでに1社との契約が決まっているというが、「相手企業が上場企業のため現時点で名前は公開できない」(石田氏)とした。
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