米SGIの未来はLinux+Itanium 2のAltix頼み

 米Silicon Graphics(SGI)は20日(米国時間)、NASAが使用している256個のItanium 2プロセッサを搭載した同社製のLinuxマシンを、すぐにも倍の規模に増強する計画だと発表した。この発表は、黒字回復に近づきつつある同社の決算報告後に行われた。

 NASA(National Aeronautics and Space Administration)は、SGIのIrix OSとMIPSプロセッサを搭載したハイエンドコンピュータを、長年にわたって使ってきた。そのNASAが現在、「Altix」と呼ばれるSGIのLinux+Itaniumを組み合わせた製品を採用しようとしている。この新製品シリーズは、何年にもわたって売上の減少が続いている同社が、成長中の市場に参入することで、この流れを逆転させるための戦略商品である。

 「NASA Ames研究所は、256プロセッサを単一システム内に搭載したイメージで動作するAltixマシンを導入することで、Linux+Itaniumの世界へと踏み込んだ」と、SGIのCEOであるBob Bishopは、20日に開かれた金融アナリスト向けのカンファレンスで述べた。「実は、研究所ではごく近い将来、このマシンを512プロセッサ構成へと強化する予定だ」(Bishop)

 単一システムで動作するイメージとは、単一の実態OSがマシン全体で橋渡しを行っていることを指す。対照的に、近年、技術コンピューティング分野でLinuxを使用しているシステムでは、多数の独立したサーバを、相互に接続して使っている。

 このSGIとNASAの作業は、これまで長い間、五指に余る数のプロセッサを搭載したローエンドサーバのみで動作していたLinuxに関して、その利用範囲を広げる重要なものだ。しかし、SGI製のマシンは技術コンピューティングの分野に特化しており、米IBMや米Hewlett-Packard(HP)、米Sun Microsystemsが自社のハイエンドサーバをそのために設計するような、大規模なデータベースを稼働させるなどの主要業務は想定していない。

 SGIの未来はAltix頼みだと、Needham and Co.のアナリストであるCharles WolfとJustin Udelhofenは、10月に発表したレポートで報告している。「(マイナーアップグレードや現行の製品を除けば)SGIの売上拡大に向けて、唯一希望が持てるのは、Linuxスーパーコンピュータ向けのAltix製品ラインである。この新しいハイブリッドプラットフォームが好調な売れ行きを示せば、SGIは独自にOSやプロセッサ技術へ大きな投資をしなくても済むようになる。」と両氏は記している。

 Bishopは20日、Altixを主流製品に変える取り組みで、いくらかの進展があったことを示唆した。Altixは、いくつかのエンジニアリング用ソフトを稼働できるとの認定を受けているが、それが米Boeing、ホンダ、米Motorola、米Honeywell、米3M、独DaimlerChrysler、マツダ、印Tata MotorsらへAltix販売につながったのだ。

 SGIではまた、最小128個のプロセッサを搭載したAltixシステムを、米Naval Research Laboratory、米Oak Ridge National Laboratory、米Pacific Northwest National Laboratoryなどに納品したと、Bishopは語った。SGIは8月に、 Altix の128プロセッサ搭載モデルを2004年春には標準仕様にすると発表していた。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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