Xboxをハックしてクラスタリング--Linux Expoでデモ

 米Microsoftは、今年ロンドンのOlympia Conference Centreで開催された「Linux Expo」で予約したブースに出展できなかったのかもしれないが、同社のXboxはきちんと披露されていた。もっとも、それは同社が望んでいたことではなかったはずだ。

 マルチメディア指向のLinuxディストリビューション、dyne:bolicのブースで、オペレーティングシステム(OS)作者/管理者のJardmil --本人が好むニックネームだ--が、ハッキングしたXboxのデモを行なっていた。このXboxは、パソコンとXboxが混在するクラスタの、処理タスク軽減に利用できるようになっている。

 Xboxをクラスタリングに使うとの応用方法はあまり聞き慣れないが、一部の機関では、パソコンより小型で低価格、そして処理能力が低い(そしてそのため、より静かな)今日の強力なゲーム端末のコンピューティング能力を調査しているところだ。

 米イリノイ州にあるNational Center for Supercomputing Applications(NCSA)は、PlayStation2端末を使って65ノードのLinuxクラスタを構築している。

 Xboxクラスタには、openMosixというLinuxカーネル拡張が必要になる。「このソフトウェアは、プロセスがXboxやパソコンの処理能力を使い切ってしまうとすぐに、サイクルに余裕のあるLAN上の他のマシンを探しに行き、次のプロセスをそのマシンで実行する」(Jardmil)。openMosix Projectによると、このクラスタは対称型マルチプロセッサマシン(SMP)のように振る舞うもので、1000ノード以上にも拡張できるという。

 Microsoftは、XboxへのLinuxインストール手段を全く提供していない。このためLinuxをインストールするには、Xboxを分解するか、Microsoftが発売した「MechAssault」ゲームにあるようなバグを利用するしかない。

 「Xboxはメモリ量が少ないので、スタンドアローンのマシンとして稼動させても、大したことはない。しかしXboxは、クラスタリングには非常にうまく機能する。今年のクリスマスには、Xboxは100ポンド強の値段で買えるだろうから、大規模なクラスタを非常に安く構築できる」(Jardmil)

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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