Xbox用modチップメーカー、設計をオープンソースで公開

 米Microsoftの家庭用ゲーム機Xbox用の「modチップ」とよばれるハッキングツールを製造・販売しているオーストラリアの会社が、modチップの設計をオープンソースライセンスのもとで公開した。

 DualModチップを製造し、AussieChipウェブサイト上で販売している豪Hibanaは先週から、ダウンロード可能なチップ設計の提供を開始した。標準的なオープンソース規定を盛り込んだライセンスに合意すれば、誰でも利用できる。

 modチップは、テレビゲーム機の主回路基盤にハンダ付けするとゲーム機のセキュリティシステムを迂回できる、という灰色市場で出回るアドオン製品。ハッカーはこのチップを使えば、ゲーム機上で自作ソフトウェアの稼動や、ゲームのインポート、違法コピーされたゲームディスクの再生などを行なえるようになる。

 ゲーム会社は長年、modチップに神経を尖らせているが、Microsoftはmodチップとの戦いに、殊に警戒心を高めている。同社Xboxの設定を変更してハッキングを妨害し、Xbox Liveオンラインサービスを、modチップが取り付けられたマシンでは利用できないように調整した。また、競合ゲーム機メーカーと共同で、modチップを阻止するための訴訟を起こしている。

 Xboxのmodチップコミュニティで「Donatus」として知られる、Hibanaの最高経営責任者(CEO)Grant Sparksは、イノベーションを喚起するため、DualModチップの設計を無料提供することにしたと述べた。普通のハッカーが設計をいじることはあまり出来ないが、半導体製造工場に出入りするための金と技術さえあれば、誰でもこのチップ設計をベースにして、よりよいmodチップを設計することが可能となる。

 「市場が最もよく機能するのは、情報が全ての参加者の間を自由に行き来し、技術革新が、企業の利益追求のために迫害されるのではなく、奨励されるような状況下だと我々は思っている」と、Sparksは電子メールに記している。「Xboxは子供のおもちゃだ。ユーザーがそれを使って好きに遊ぶのを止めさせるために法を用いるというのは、我々からしてみれば、なんとも馬鹿げている」

 またSparksは、自分が他のmodチップメーカーが巻き込まれたような訴訟に陥ったとしても、オープンソースモデルによって、DualModチップが何らかの形で生き長らえることになる、と述べている。

 「訴訟になった場合、DualModチップをオープンソース化するという我々の決定が直接的恩恵をもたらすかどうかは分からない。しかし我々の決定が、訴訟の愚かさを示すのに役立つことは間違いない。一度閃いてしまったものは、元に戻せないのだ。設計はもう公開されて、すでに無数のウェブサイトにミラーされている」(Sparks)

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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