ライバル関係にある米IBMと米EMCが、両社のデータストレージ技術を調和させる取り組みを進めると発表した。
IBMが6日(米国時間)に明らかにしたところでは、両社はストレージシステム、サーバ、そしてソフトウェアの連携や互換性の向上を目指すことで合意したという。これらの製品を、各社の製品が混在したストレージ環境で利用する顧客に対して、その恩恵を受けられるようにするのが狙いで、特にEMCのストレージ技術とIBMのメインフレームコンピュータを併用する顧客の支援を目指す。EMCのプラットフォームマーケティング担当バイスプレジデント、Chuck Hollisは、「我が社の顧客のなかに、IBMのメインフレームを稼働している企業が多いことはわかっており、我々は常にそれらの技術と互換性を持たせてきた。顧客は、両社の技術をもっと素早く導入したいと考えており、今回の合意によってそれが実現することになる」と語っている。
両社の、提携の一環として、主にStorage Management Initiative Specification(SMI-S)を土台にして、両社のディスクストレージ製品用プログラミングインタフェースをやりとりするためのフレームワークを構築した。EMCはさらに、IBMから技術のライセンス供与を受け、IBMのメインフレームを利用する自社の顧客のために、互換性を改善する。さらに、両社は既存のサポート契約を拡大して、ストレージ製品の取り扱い数を増やすことにも合意している。
両社の幹部は、今後もストレージ市場で「精一杯、競争していく」つもりだとしながらも、同時に両社の技術を使って顧客により良いサービスを提供していくには、関係強化が必要であると述べた。それぞれの関係者の見積もりでは、現在、両社のストレージ製品を利用する共通の顧客は数千社にのぼるという。
IBMのストレージマーケティング担当バイスプレジデント、Roland Haganは、「この提携を、顧客が望んでいたことは明らかだ。彼らは、両社の技術を連動させるために費やす時間やコストを削減したいと考えており、そのための手段を必要としている。今回の提携は、さらに効果的なオープンストレージ標準を実現するための、新たな一歩と考えられる」と語った。
Haganの考えでは、ストレージ業界は業界標準の推進に関して、ほかの技術分野に遅れをとっているという。IBMは、EMCとの提携について、自社保有のストレージ技術関連特許から収益をあげる良い機会だと捉えている。
今回の合意を通じて、IBMは、自社のTotalStorage Enterprise Storage Server用のインタフェースを、EMCにライセンス供与した。これは、特にピア・ツー・ピアでのリモートコピーおよび拡張リモートコピーの両機能で、EMCのSymmetrix DMXストレージシステムとの互換性をサポートするための措置だ。これにより、EMCの方はIBMのFlashCopy、Multiple Allegiance、そしてParallel Access Volumes技術が利用できるようになった。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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