米IBM、ITアウトソーシング分野で依然首位に--米IDC調査

 調査会社の米IDCによると、685億ドルの規模を持つ情報技術(IT)アウトソーシング市場では、米IBMが先頭を走っているが、米Hewlett-Packard(HP)や米国以外のいくつかの企業も急速な追い上げをみせているという。

 先頃発表した調査報告のなかで、IDCが明らかにしたところによると、IBMは2002年にアウトソーシングサービスで153億ドルの売上を記録し、世界のITアウトソーシング市場で22%のシェアを獲得したという。同社は昨年、主に同社のGlobal Services部門を通じて、米国における全アウトソーシング契約の4分の1にあたる売上を手にしたと、同報告書は述べている。

 第2位以下には、米Electronic Data Systems(EDS:売上高111億ドル)、米Computer Sciences(同38億ドル)、そして富士通(同33億ドル)の各社がならび、この上位4社の売上を合わせると、全世界のITアウトソーシング関連総売上の半分近くに達するという。

 なお、過去のデータがすぐには手に入らなかったため、マーケットシェアの変遷については不明である。

 アウトソーシングはIT業界の成長市場で、企業がデータセンターの管理、ソフトウェア開発、コールセンターの運営、そしてデスクトップ機やネットワークのサポートといった主要業務を、外部の企業に委託するというもの。こうしたサービスのセールスポイントはコストの節減だが、そのためにインドや他の開発途上国の労働者に、作業を下請けに出すことが増えてきている。

 IDCでは、ITアウトソーシングサービスの世界市場は、今後5年間、毎年7.7%の成長を続け、2007年には売上が1兆ドル近くに達すると見ている。

 売上高は大きいものの、この市場で得られる利幅は得てして薄い。アウトソーシングのサービスを提供する企業の側では、IT関連機器、施設、人材などに、かなりの額に上る投資を行わなくてはならないことが多い。それでもIBM、HPや他の企業では、こうした取引で複数年契約を結ぶことを重視している。クライアント企業との間で、長期にわたる相互依存関係を築ければ、ハードウェアやソフトウェアなど利幅の大きい製品を販売するのに役立つからだ。

 IDCによると、2002年に世界市場で1.8%のシェアを獲得し、富士通に僅差で続くHPは、今後目が離せないベンダーの1社だという。同社のオンデマンドあるいはユーティリティコンピューティングと呼ばれる構想が、同社のアウトソーシング契約獲得に役立っていると、同報告書は述べている。

 IDCによると、独Deutsche TelekomのT-Systemsサービス事業部、日本の富士通とNEC、そしてフランスのCap Gemini Ernst & Youngの各社が、306億ドル程度の規模を持つ米国市場でさらにしっかりとした足掛かりを得ようとしているという。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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