米MicrosoftのライバルであるLycosが、Microsoftのチャットルーム閉鎖を批判し、もっと投資すればより安全なオンライン環境を整えられるはずだと発言した。
Lycos U.K.のマネジングディレクターを務めるAlex Kovachは24日(現地時間)、米Microsoftがチャットルームの閉鎖を決定したからといって、それでチャット自体が消えて無くなるわけではないと語った。 Lycos U.K.では、約10万人のユーザー向けに、すべてモデレータの存在するチャットルームを運営している。
「チャットルームを閉鎖することで、Microsoftは道徳的に正しいことをしているように見せているが、実は無責任なだけだ」とKovach。「いまは責任を持てるチャットを提供することが大切であり、そうしなければチャットは地下に潜行し、リスクはますます高くなってしまう」。
Kovachによると、スペインのTerra Lycosの一部であるLycos U.K.では、チャット運営のために、100人程度のモデレータを雇っており、また人手とソフトウェアとを組み合わせて、「より安全な環境」を作り出しているという。
Microsoftは、モデレータを置いても100%の安全は実現できないとの理由から、チャットルームにモデレータを駐在させるという考えを退けた。同社にはチャットを利用する常連が100万人もいるが、今回のサービス停止の決定は財政的な理由からではないとしている。
「財政的な要因は関係ない。顧客を不適切なコミュニケーションから守るという唯一の理由から、我々はこの決定を下した」(米MSNのカスタマーサティスファクション部門長、Matt Whittingham)
Whittinghamによれば、子供たちを守る本当の専門家は、MSNやAmerica Onlineではなく、それを目的に設立された全国組織であるという。「全てのチャットにモデレータを張り付けることはできない。そうするのは現実的ではない」(Whittingham)
Whittinghamはまた、MSNでは、ポルノ関連スパムのような「不適切なコミュニケーション」がかなりはびこっており、ユーザーにはチャットと比べて桁違いに安全なインスタントメッセンジャー(IM)など、安全なオンライン通信手段を使うようアドバイスを行っていると説明した。
しかし、LycosのKovachは、お金をかけることで、Microsoftはチャットルームをもっと安全な場にできると考えている。「モデレータを置いたチャットの運営にはお金がかかる。当然、人手や質の高いソフトウェアも必要となるが、そうするにはどうしてもお金がかかる」(Kovach)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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