「AOL」が消える--米タイムワーナー、社名変更で本業回帰に拍車

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 米AOL Time Warnerの取締役会は、同社の社名から「AOL」を削除し、単にTime Warnerとする議案を承認した。

 同社は今後数週間のうちに社名変更を行なう。ニューヨーク証券取引所での同社ティッカーシンボルは、「AOL」から以前Time Warner時代に使っていた「TWX」に変更される。

 AOL Time Warnerの社名変更は、数カ月前から各所で取り沙汰されていた。AOLの冠を外すことは、同社の多くの人間がごまかしたい、またはいっそ忘れ去りたいと思っている、恥ずべき時期が終わったことを告げるシンボルとなるだろう。2001年1月にAmerica OnlineとTime Warnerが合併して生まれた同社は、それ以来、主にAOL部門の崩壊によって、数十億ドルもの株主価値を失っている。

 AOL部門は連邦当局から会計監査を受けている上、契約ユーザーの減少とオンライン広告の低迷により、売上がひどく落ち込んでいる。元最高経営責任者(CEO)Gerald Levinや元会長Steve Case、元最高執行責任者(COO)Bob Pittmanなど合併の立役者の多くは、すでに失脚し辞職している。

 同社のメモによると、8月にAOL部門CEO、Jonathan Millerが、AOL Time WarnerのCEORichard Parsonsに社名変更のアイディアを持ちかけた時から、社名変更の可能性が噂されるようになったという。MillerはParsonsに、AOLブランドは、親会社のトラブルに関して議論が持ち上がるたびに印象が悪くなっている、と話したとされる。

 AOL Time Warnerの代表者が公開したMillerの電子メールメモには、「AOL Time Warnerは事実上AOLとして知られているため、会社法人に関する議論や批判が全て、我が社のコンシューマーブランドを直撃している」と記されていた。

 しかし社名変更を求める声は、1年以上前から議論され続けてきた。昨年夏には若干名の取締役と有力株主らが、Caseに会長を辞めさせ、社名からAOLの名を取り去ろうとしたと言われている。Caseは結局、2003年1月に会長を辞任したが、5月に取締役に再選された。

 社名変更を求める人々は同社に対し、AOLのスキャンダルや金銭問題に結び付けられるのではなく、巨大メディア企業としての根本に立ち返るべきだ、と警告したと言われている。実際、映画会社Warner Bros.や雑誌出版のTime Inc.、Time Warner CableやHBOなどのケーブル局といったTime Warnerの事業は、AOLが衰退した過去2年間にも繁栄を続けている。

 いっぽうAOLのほうは、これまで築いてきたオンラインでの優勢を必死になって守ろうとしている。AOLには、いまだに他のどのISPよりも多くのダイアルアップユーザーが世界中にいるが、しかしこの契約者数が徐々に減少してきている。前四半期には84万6000人の契約者を失ったが、これは契約者数の数え方に関して修正を行ったためであり、またブロードバンド接続に切り替える契約者の流出が続いたことも響いている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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