RIAAのPtoPファイル交換者召喚手続きが問題に

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 米連邦控訴裁判所は16日(米国時間)、1988年に制定された著作権法の詳細について詳しい調査に乗り出した。音楽業界は同法を根拠に、著作権侵害の疑いのあるピア・ツー・ピア(PtoP)ファイル交換者の身元調査を行っているが、同裁判所は著作権法がこれを認めているか否かについて疑問を抱いている。

 3人の裁判官で構成される判事団は、全米レコード協会(RIAA)がファイル交換ネットワークに対する対抗措置の中で、同法に定められた強力な召喚手続きを利用することを、今後も許可し続けるかについて、ほとんど言及しなかった。しかし、Verizon Communicationsの主張に対しては、米連邦地裁のJohn Bates判事以上に信用を置いているようだ。Batesは今年1月、RIAAによる同法の使用は有効との判決を下した。

 John Roberts判事は、RIAAが物議を醸しているデジタルミレニアム著作権法(DMCA)を拡大解釈していることについて異議を唱えた。DMCAは、著作権保持者が訴訟提起前に、著作権侵害の疑いのある者の身元調査を行うことを認めている。Robertsは、彼が自分の書斎に通じるドアを開けっぱなしにしたがために何者かの侵入を許したからといって、彼自身が著作権侵害の責任を負うことはない、と述べた。

 この裁判は、著作権侵害の疑いのある個人相手に訴訟を起こすという、RIAAの法廷戦略にとって重要な意味を持つ。仮にコロンビア特別区巡回区控訴裁判所が下級審判決を覆せば、RIAAはその代わりに何千件ものJohn Doe訴訟(当事者が氏名不明の訴訟)を起こさなくてはならない可能性がある。この戦略はよりコストがかかるため、さらなる悪評を招きかねない。

 PtoPネットワークが著作権侵害の温床となっているとのRIAAの主張については、控訴裁判所の3人の判事全員が認めたようだ。Robertsは、「この裁判は、600点の著作物をコピー可能な状態に置いた者を裁くための裁判だ」と語り、さらに「600点もの著作物をコピー可能な状態に置くことに、合法的な目的などあるだろうか」と述べた。

 裁判長のDouglas Ginsburgは、DMCAに定められている召喚状はインターネットサービスプロバイダ(ISP)が管理するファイルが対象であり、ユーザー個人のコンピュータに保存されているファイルは対象に含まれないとするRobertsの主張に異議を唱えた。

 Ginsburgは、米議会はDMCAの適用範囲をエンドユーザーまで含めるつもりだったに違いないと主張し、同法が施行される半年前にSalon.comに掲載された記事を読み上げた。Ginsburgは「当時の手段はFile Transfer Protocol(FTP)だった。しかし、それも全く同じ問題を起こした。(エンドユーザーによる著作権侵害行為が)1998年当時この宇宙に存在さえしていなかったというのか」と述べた。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加