米Intelは米国時間10日、Centrinoチップバンドル向けのWi-Fi部品の発売時期を変更すると発表した。同製品に関する遅れが発表されたのは、これで2度目になる。
同社の関係者がCNET News.comに語ったところでは、802.11aと802.11bの両方に対応するこの部品の出荷が、今年第4四半期の前半まで遅れるという。同社は、当初この部品を今年の上半期には発売できると見積もっていた。しかし、ニューヨークで開かれた春季アナリスト会議の席上で、同部品の発売が第3四半期前半までずれ込むと発表していた。
Intelの広報担当、Dan Franciscoの話では、同社はまだこのWi-Fi用部品の動作確認などを終えていないという。
「新しい部品を発表する際は、動作テストと検証を必ず行っており、機の熟していない製品を出荷することはない」(Francisco)
Intelの802.11a/802.11b部品の遅れは、ライバルのチップメーカーに一息つく機会を与えることになる。多くのメーカーは、この市場へのIntelの参入が、802.11a/802.11b部品だけでなく、あらゆるWi-Fi部品の、ただでさえ薄い差益をさらに食い合うことにつながると警戒しているからだ。
「今回発表された開発の遅れは、結局のところ、Intelはプロセッサ市場では素晴らしい仕事ができるが、しかし新たな市場への参入は同社にとっても非常に難しいことを示すものだ」と、Forward Conceptsのアナリスト、Will Straussは述べている。
Straussによれば、Intelはイーサネットチップを同社のマザーボードに搭載することで、最大手のイーサネットチップサプライヤになったという経緯があり、今回もWi-Fiチップをモバイル向けプロセッサと組み合わせることで同様の戦略を採っているようだという。
IntelのFranciscoは、このWi-Fi用部品をCentrino製品に組み込む準備ができるのは数週間先になりそうだと述べた。Centrino製品には、同社の省電力プロセッサPentium-Mチップ、チップセット、そしてWi-Fiチップが含まれている。
なお、同社の他のWi-Fi用コンポーネントは予定通りに開発が進んでいる。同社では、802.11b/802.11g用コンポーネントの製造を年末までには開始し、来年の第1四半期には製品として出荷することを計画している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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