米Cisco Systemsは9日(米国時間)、史上初のカラータッチスクリーンを搭載したVoIP電話機「7970G」を発売した。価格は1000ドル。Ciscoは7970Gの発売により、ライバル企業との差を広げることを狙っている。
Ciscoのマーケティングディレクター、Hank Lambertによると、今回追加された新機能はVoIP電話をさらに使いやすくするためのもので、当面は7970Gにのみ使用される。しかしカラータッチスクリーンについては、原材料費さえ下がれば、すぐにでも同社のVoIP電話製品ラインの標準機能にする用意があるという。
Ciscoが新機能を追加した背景には、4年間に及ぶ同社のVoIP市場独占が、大手競合他社によって脅かされ始めているという事情がある。Ciscoは競合他社の総販売台数を上回る200万台のVoIP電話機を販売したが、他のVoIPハードウェアに関しては徐々に販売力が低下し始めている。調査会社のInfoTech Researchは最近の調査で、企業向けVoIP電話ネットワーク機器の一部の重要な製品について、米AvayaがCiscoを抜いて世界ナンバーワンサプライヤーの座に就いたとしている。
調査会社の米Synergy Research Groupによると、今後3年以内に150億ドル規模にまで成長すると予想されているVoIP電話関連機器市場で、Ciscoが保ってきた優位がいま危機に瀕しているという。VoIPプロバイダーたちは、ここ何年も過大な約束をし、それに見合うサービス内容を提供してこなかったが、一般家庭向けブロードバンド接続の急成長、VoIP電話サービスの質の改善、さらに不恰好なパソコンのマイクロフォンシステムではなく、一般の電話機でもVoIP通話を可能にする接続などのおかげで、消費者に新たな興味を抱かせている。
現在、VoIP電話サービスでは、一般に割安な料金設定がなされており、長距離/国際電話料金は事実上ないに等しい。さらにインターネット上で通話を接続する技術は、いずれ音声を電子メール、インスタントメッセージング、テレビ会議と結びつける高性能通信サービスの開発につながる可能性もある。現在すでにMicrosoftをはじめ多くの企業がこのようなサービスの開発に取り組んでいる。
7970Gも大半のVoIP電話機と同様に、作業命令のためのデータベース検索といったインターネット機能の役割も果たす。その際7970G はXML(Extensible Markup Language)と呼ばれる言語で書かれたプログラムを実行する。XMLは新しいソフトウェア言語で、ネットワーク上でデータを共有する際に利用される。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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