アジアにすり寄る米マイクロソフト-少数派言語対応ソフトをリリースへ

 シンガポール発- 米Microsoftは、Windows XPとOffice 2003を同社がこれまで手がけたことのないアジアの言語でリリースする計画に着手した。この計画の狙いのは、各国政府との関係をより緊密にすることだ。

 この計画で発表される最初の「少数派」言語バージョンは、マレーシアのマレー語版で、このあとにインドネシアのマレー語版、ベトナム語版とインド向けの14言語版や、ニュージーランドで使用されているマオリ語版が続く。Microsoftでアジア太平洋および中国を担当する技術最高責任者(CTO)のPeter Mooreが語った。

 Microsoftは、最近Windowsオペレーティングシステム(OS)やOfficeスイートに取って代わる製品の開発・サポートを進めようと躍起になっているアジア各国の政府からの圧力を感じている。

 しかし、同氏はMicrosoftがタイ語バージョンのWindows XP HomeとOffice標準版をリリースしたのは、タイ政府が推進する低コストPC普及計画でオープンソースの代替製品が使われていることから、同国でライバルのLinuxが一層普及するのを恐れてのことではない、と説明した。

 同計画が発表された時点で、言語パックの生産作業は既に始まっていたと、同氏は説明している。また、同国で海賊版のソフトウェアが広く出回っていたため、MicrosoftはこれまでWindows XP Homeのタイ語バージョンを販売することにはメリットがないと考えていた。

 「Homeバージョンを購入するユーザーはいなかった」(Moore)

 しかし、政府の低価格キャンペーンはMicrosoftに合法的に製品を提供する機会を与えた。これまでに、多くのバイヤーが米ドル換算で40ドルを追加することでWindowsとOfficeを購入できるというオプションを選択してきたと同氏は述べている。

 Microsoftはマレーシアで、同国の言語文学協会であるDewan Bahasa dan Pustaka(DBP)と協力し、Windows XPから7500の用語を翻訳したりローカライズしている。この翻訳プロジェクトは、5週間程度で完成する予定だ。

 同プロジェクトは言語インターフェースパック(LIP)の開発を可能にし、ひいては同国のIT企業によるローカル言語でのソフトウェア開発に貢献する、と同氏は説明した。

 Microsoftは、ローカライゼーションに向けて世界中で40以上の言語を特定している。翻訳される14のインドの言語の中にはアッサム語、グジャラート語やベンガル語が入っている。ローカライズされた製品はいずれも、来年の年末までに利用できるようになるはずだと同氏は述べた。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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