チップメーカーの米Broadcomと蘭Philips Semiconductorsは米国時間8日、小型化した省電力のWi-Fiチップの発表を行うが、これにより広く普及している802.11b標準の再活性化につながる可能性がある。
両社の計画に詳しい情報筋によると、この新チップは802.11bワイヤレスネットワーキング標準をベースにしており、携帯電話、ハンドヘルド機、デジタルカメラといった携帯機器のメーカー各社をターゲットにするという。情報筋によると、BroadcomはシングルチップのWi-Fi製品を発表するとみられており、またRoyal Philips Electronicsのチップ製造事業部であるPhilips Semiconductorsの方は、2種のWi-Fiチップを組み合わせながら、現行製品よりも大幅に小型化したパッケージ製品を発表するという。
携帯機器のような量産製品をターゲットにしたチップを発売することで、両社は802.11b標準を新たに活気づける可能性がある。802.11b標準ネットワークとの互換性を維持しながらスループットを高めた802.11g標準が登場して以来、802.11bの将来は疑問視されるようになっていた。802.11g標準での転送速度が54Mbpsであるのに対し、802.11b標準は11Mbpsにとどまっている。
アナリストはこれまで、低消費電力バージョンの802.11bチップは人気の高い携帯機器に適しており、チップメーカーとメーカーの双方にとって魅力があるのではないかと推測していた。だが、同チップは消費電力が比較的高いという課題を抱え、またチップの大きさがデバイスの大型化を余儀なくさせていた。
ところが、Broadcomの新型チップはMAC、ベースバンド、および無線通信というWi-Fiプロセッサの3つの主要コンポーネントを1基のチップに集積し、小型で低価格の製品となっている。同社では、チップ内部のパワーマネージメント機能も改善し、BroadcomのこれまでのWi-Fi製品比で最大80%の省電力化を達成している。同プロセッサの初期バージョンはメーカー各社にサンプル出荷中で、同社では同チップの価格や量産開始予定については発表しないものとみられる。
Philipsのチップはシングルチップ製品ではないが、これまでの802.11bチップよりこちらの方がサイズも小さく消費電力も低い。同社の計画に詳しい関係者によると、同社は来年の第1四半期に、さらに小型の802.11bチップを発表する見込みだという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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