アジア太平洋地域のサーバ市場はゆるやかな上昇

 アジア太平洋地域の2003年第2四半期におけるサーバの売上は、SARSによる販売への打撃や、途上国の厳しい経済情勢もあり、昨年同期比でわずか8%の穏やかな成長にとどまった。

 SARS(Severe Acute Respiratory Syndrome)は、今年2003年4月から5月にかけて、アジアの数カ国をまたいで広がったインフルエンザ型のウイルス。何十人もの死者と各国経済の停滞を生み出した。

 調査会社Gartner Dataquestのアナリストが9月1日に発表したレポートによれば、香港、韓国、シンガポールなどの先進国では、微増もしくはマイナス成長だという。なかでも香港は、SARSの影響を受け昨年比で29%もの大幅ダウンとなっている。

 日本を除くアジア太平洋地域の2002年のトータルは、12億1000万ドル(米ドル)となった。

 SARSの影響を受けなかった韓国では、2%とわずかに成長。一方でシンガポールは昨年同期比で4%の成長となっている。

 このような情勢のなか、サーバベンダ各社はインド、中国、オーストラリアに活路を見い出している。これらの地域での実績が、アジア太平洋地域のサーバ市場全体の売上を押し上げた形だ。

 インドでは、2002年の5620万ドルから7492万ドル(米ドル)と、昨年比で33.2%と大幅に上昇し、最も成長の激しい国となった。オーストラリアでの第2四半期のサーバ売上は、昨年との比較で16.2%の成長となり、健全な状態を保っている。

 中国は、昨年同期比で10.8%成長にとどまったものの、その総売上は3億8235万ドルと、この地域での最大規模の市場を誇っている。

 「IT分野の発展のために、政府が継続的な投資を続けていることが、結果として中国におけるサーバ売上を押し上げている」と、Gartnerのレポートでは説明している。

 また、IBM、Hewlett-Packard(HP)、Sun Microsystems、Dell Computerなどの大手が、サーバ売上のシェア第1位〜第4位にとどまっているという。その内訳を見ると、IBM、HP、Dellらの成長は、Sunやほかのより小規模なベンダの売上を奪う形で成り立っていることが分かる。IBMのサーバ売上におけるシェアは昨年同期比で34.6%から35.8%となり、HPも30.2%から31.2%の微増となっている。

 Sunのサーバ売上は前年比5%減少となり、全体としてのシェアは2.2%ダウンの16.4%になった。昨年初登場のDellは、昨年同期比1.4%のポイントアップで、4.9%の市場シェアを獲得している。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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