米Motorolaが、英Symbian株の19%に相当する自社の持ち株売却を計画している。Symbianは、次世代携帯電話ネットワークを利用するスマートフォン用オペレーティングシステムのトップデベロッパー。
Motorolaが米国時間8月29日に語ったところでは、同社は自社の持ち株を、同じくSymbianに出資するフィンランドのNokiaと英Psionに売却するという。これにより、Motorolaはほかのオペレーティングシステム(OS)のデベロッパーとさらに自由に開発協力できるようになる。Motorolaによると、Java開発者側も、呼び出し音や高機能メッセージングといった機能をもつアプリケーションを開発する際に、プラットフォームを選択できるようになるという。
Motorolaは2月に、Java技術を採用する同社初のLinux搭載電話機を発表した。同社では、Linuxオペレーティングシステムは「自社の携帯電話用ソフトウェア戦略の重要な柱」だとと語った。
Linuxをベースにしたソフトウェア製品は、3Gネットワークを利用するスマートフォンOSの市場においてSymbianと競合関係にある。これらのネットワークは、ダイヤルアップ回線と同等のスピードを持つワイヤレスインターネットアクセスを提供してくれる。また、これまでSmartphoneと呼ばれていながら、現在はWindows Mobileブランドとして宣伝されるWindowsベースのソフトウェアを有するMicrosoftもライバルとなる。
「ここ数四半期はOSからJavaに比重を移したいと考えていた。Javaのほうが重要であると気付いたのだ。Javaならアプリケーション開発者にもコンシューマーにも訴えるものがある」(Motorolaの第3世代ワイヤレスネットワーキング製品担当ゼネラルマネジャー、John Thode)
Nokiaなど、Symbianへの出資企業との5年間に及ぶ共同出資契約が切れる8月28日、Motorolaは素早い行動に出て、 Symbianを支援する電話機メーカーグループから離脱した。Psionは米国時間の同29日、Motorola保有株の一部取得により、Symbianへの出資比率を25.3%から31.1%へと引き上げると発表した。Nokiaも同社の出資比率を19%から32.2%に引き上げる見込み。
Symbianが2週間前に明らかにしたところでは、同社のソフトウェアを搭載したスマートフォンの出荷数が、今年前半の6カ月で昨年同期比10倍に拡大したという。
Thodeによると、Motorolaでは今後もSymbianのオペレーティングシステムのライセンスを継続して受ける計画で、出資を引き上げても発注数は全く減少していないという。実際に、先週前半には、同社は最新の3G携帯電話機にはSymbian OSを使うと発表している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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