米Motorolaが、同社初のLinuxで動作する携帯電話を発売した。ポータブルデバイスでのLinuxの輝かしい未来を予測する人々は、この動きを注意深く見守っている。
Motoloraが米国時間8月22日に台湾で発売したのは、A760電話機をはじめとする9種類のモデルで、24日から始まる台北国際通信ネットワークショウの開催に合わせて発表された。
A760はハイエンドのスマートフォンで、個人情報管理アプリケーション、ビデオプレーヤ、音楽プレーヤ、そしてインスタントメッセージ(IM)ツールを搭載している。同機は、まずアジア太平洋地域限定で販売され、後にヨーロッパと米国でのリリースとなる見込み。
Motorolaでは、廉価版モデルを含む自社の携帯電話の大半に、Linuxを採用する計画だという。 A760は2月に発表されたものだが、この時Motorolaでは、Linuxに関する野心的な計画の概要を明らかにしていた。同社は、自社ブランドの携帯電話にLinuxを採用する、唯一の大手メーカーである。
Linuxは、その多くが米IBMや米Hewlett-Packard(HP)などの企業で働く多数のオープンソースプログラマーがつくるグループが共同開発している。これらの企業では、このUNIXに似たオペレーティングシステムを搭載するハイエンド向けサーバコンピュータを数億ドルも販売している。そして、今度はいくつかの企業が、小型デバイスでLinuxを採用する動きを見せている。
しかしスマートフォン市場では、MicrosoftやPalmSource、そしてSymbianの開発するオペレーティングシステムを相手に、Linuxも苦戦を強いられるだろう。Symbianは、Motorolaを含む電話機メーカーのグループが保有する英国ベースのデベロッパーだ。
Motorolaによると、Linuxは無償で入手できるが、同社がこのような動きにでたのは、そうしたコスト的な理由からではないという。同社では、Linuxを開発するオープンソースコミュニティの迅速な開発ペースを考慮し、同ソフトウェアを採用すれば製品の開発時間を短縮できると考えている。
MotorolaのLinux電話機ではJavaが動作するが、これは米Sun Microsystemsのプログラミング言語および関連ソフトウェアで、プロセッサやオペレーティングシステム間の違いを吸収する。Motoloraは、小型デバイス向けJavaを定義するコンソーシアムの先導役を務めているが、同団体にはフィンランドのNokia、英Vodafone、韓国Samsung、NTTドコモ、Symbianなどの各社が参加している。
Linuxソフトウェアについては、MotoloraはMontaVista Softwareから提供を受ける。Monta Vistaは、DVDプレーヤやネットワークルータといった組み込みデバイス向けのLinux製品開発に特化しており、プログラミングツール販売で利益を得ているが、ライセンス料は徴収していない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス