米Sun Microsystemsは、自社アプリケーションサーバソフトの新バージョンで、企業顧客をシステムクラッシュから保護する機能の改善を試みる。
Sun Open Network Environment(Sun ONE)Application Server 7, Enterprise Editionでは、同ソフトウェアのこれまでのバージョンと、Sunが2002年に買収した Clustra Systemsの技術を組み合わせると、同社Java Webサービス/ツールのマーケティング担当のバイスプレジデント、Joe Kellerは語った。
アプリケーションサーバは、バックエンドのデータベースと、Webブラウザを介して情報を利用するユーザーとの間の仲介役として機能する。
Sunのアプリケーションサーバの新しいハイエンドバージョンは、独立した複数のアプリケーションサーバ上で動作し、データや作業負荷をこれらの間で分散する。あるハードウェアサーバがダウンしたり、メンテナンスのために電源を切る必要があったとしても、Sun ONEが自動的に差し迫ったタスク、たとえば株取引の処理などをほかのマシンに割り当てる。
同ソフトウェアでは、これまでのバージョンより管理もしやすくなっている。ネットワークの維持においては、「人為的ミスが最大の問題」だと、Kellerは語った。
1台のハードウェア上で運用するSun ONE Application Server 7, Standard Editionは既に発売されている。Kellerによると、エンタープライズエディションの方は、およそ1カ月以内に登場するという。Sunでは当初、エンタープライズエディションの出荷を2003年初めとしていた。
いまのところ、この新ソフトウェアはそれぞれが最大24基のプロセッサを搭載した4台のサーバを「ラクラク」と扱え、またおそらく最高で16台まで可能だという。 「数百基レベルのCPUを扱える」とKellerは述べている。
現在、かなり儲けの大きいこの市場のアッパーエンドでは、BEA SystemsとIBMが圧倒的な優勢を誇っている。Sunでは、Sun ONE 7, Enterprise Editionを、プロセッサ1基あたり1万ドルで販売する。
この市場では、ミスの入り込む余地はごくわずかしかない。ハイエンドのアプリケーションサーバソフトウェアを購入する金融機関や通信会社といった企業では、ソフトウェアが99.999%稼働し続けることを保証する「ファイブナイン」の可用性に固執する。これを1年で換算するとダウンタイムは約5分となる。
「だれもが、それ(ファイブナインの信頼性)を目標に掲げているが、さまざまな理由があり、達成したベンダーが存在するかどうかは分からない。いずれにせよ、ウェブ上のでひどい顧客サービスほど頭に来るものはほかにない」(Keller)
Kellerによると、重要な機能の1つに、管理者が負荷バランシングを個別に調整できる機能があるという。
同ソフトウェアは、業務アプリケーション用Java標準であるJava 2 Enterprise Editionのバージョン1.3をベースにしている。この11月にはJ2EE 1.4が登場するが、Sun ONE 7がそれですぐに時代遅れになるわけではない、とKellerは話す。仕様を製品に組み入れるには数カ月を要するからだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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