米PeopleSoftは、米Oracleによる敵対的買収の提案が自社の売上に及ぼすネガティブな影響に対抗するための、顧客への返金保証プログラムを再開したと、同社広報担当が米国時間26日に明らかにした。
PeopleSoftは前四半期に、返金保証プログラムを導入していた。これは、Oracleが6月6日にPeopleSoftの敵対的買収を仕掛け、米Hewlett-Packardによる米Compaq Computerの買収以来、コンピュータ業界で最も注目を集める買収騒ぎへと発展したことを受けての措置だった。
同プログラムでは、新たにソフトウェアを購入したPeopleSoftの顧客は、もし同社が買収され、買収した企業がその製品の販売を打ち切った場合に、購入価格の2〜5倍の金額を返金することになっていた。このプログラムの有効期限は、当初7月30日となっていた。9月30日で終了する今四半期には、新たなプログラムの適応対象に、同社が最近買収した米J.D. Edwardsの製品を含めることとなった。
仮に、Oracleもしくは別の会社がPeopleSoftを買収した場合、買収した企業には、顧客への返還金額のうち、数億ドルを支払うことが法的に義務付けられている。Oracleは以前、9月19日に期限切れとなる72億5000万ドルに上る買収提案が受け入れられた場合、PeopleSoftの製品を積極的に販売したりマーケティングしたりはしないと述べている。
「このプログラムは保険のようなものだ」(PeoplSoftの広報担当、Steve Swasey)
PeopleSoftによると、6月30日に終了した前四半期の間に、多くの顧客がこのプログラムに関して同社の意向に応じたという。だが、正確な顧客の数は発表していない。Swaseyによると、PeopleSoftは前年同期が72件だったのに対し、100件以上もの新規契約を成立させるなど、前四半期にしっかりした結果を出したという。
充分な売上高を維持することは、Oracleの買収から身を守る同社の戦略の非常に重要部分である。もし売り上げが落ち込めば、投資家は同社を信頼しなくなるため、株価は下がる。そうなると、1株当り19.5ドルでの買い付けを提案しているOracleに、PeopleSoftの株式を差し出すよう求める株主へのプレッシャーが増すからだ。なお、同社の株価は26日、1株当り17.3ドルの終値を付けている。
返金保証プログラムは、訴訟、買収コストを吊り上げるための「ポイズンピル」、独占禁止法違反主張など、PeopleSoftがOracleに対抗して自らの立場を守るために用意した数多くの戦術の1つ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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