ハリウッドの映画スタジオやレコード会社は、ファイル交換ソフト開発企業がユーザーの犯した著作権侵害について責任を負わないとする判決を覆すよう求めているが、その取り組みを支援するグループが現われた。
法学者、著作権に関する国際的機関、合法的な音楽サービス、著作権保有者グループなどいくつかの団体が26日(米国時間)、「裁判所の友(friend of the court)」と題した申立書を提出し、GroksterやStreamCastの Morpheusといったファイル交換サービスの合法性を支持した4月の判決を覆すよう求めた。
米大リーグ(MLB)から米映画俳優組合(SAG)に至るまで、さまざまな著作権保有者が提出したその申立書は、「地裁が犯した法の誤用の有効性が認められれば、法に抜け穴が生じることになる。その結果、インターネット上の著作権侵害行為を制限する取り組みは妨げられ、さらに創作物(の著作権)に対する潜在的侵害行為を助長/奨励することになる」とし、さらに「このまま(法の誤用の)有効性が認められれば、被告らが運営しているような企業が、本来著作権保持者が得るべきロイヤリティーを着服することを認めることとなり、それはそのような企業の技術的想像力によってしか抑制されなくなるだろう」と指摘した。
これらの申立書は、MorpheusやKazaaといったファイル交換サービスの位置付けをめぐる、新たな法廷闘争の一環として提出された。連邦地裁判事Stephen Wilsonは今年4月、それらのファイル交換サービスを後押しする驚くべき判決を下した。Wilsonは判決の中で、ファイル交換サービス企業はビデオ・カセット・レコーダ(VCR)メーカーと比較されるべきであり、VCRメーカーは顧客が犯した著作権侵害行為について責任を負わない、と述べた。
「GroksterやStreamCastは、家庭用のビデオレコーダーまたはコピー機を販売する企業と大差ない。ビデオレコーダーとコピー機は、どちらも著作権侵害行為に利用可能だし、実際に利用されている」(Wilson)
全米レコード工業会(RIAA)、米国映画協会(MPAA)、米音楽出版社協会(NMPA)はその判決を不服とし、今月はじめに共同で上訴した。
一方レコード業界は、ピア・ツー・ピア(PtoP)ネットワークからのユーザー離れを促したいとの思惑から、ファイル交換サービス企業だけでなく、個人のファイル交換者に対する訴訟を起こし始めた。
26日に提出された「裁判所の友」申立書の提出者には、ハーバード大やニューヨーク大、その他の大学の法学教授、Pressplay、MusicNet、Full Audioなどの音楽サービス、さらに映画、音楽、ビデオ、その他の著作権関連の国際機関などが含まれている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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