インターネットの視聴率を調査する企業によると、レコード業界がオンラインで音楽ファイルを交換する個人ユーザーを訴える計画を発表したことで、ファイル交換アプリケーションの利用は急激に低下したという。
Webのトラフィックとデスクトップアプリケーションの利用動向を追跡している米Nielsen/Netratingsによると、KazaaやMorpheusなどのファイル交換アプリケーションの利用は、6月末以来15%低下したという。全米レコード協会(RIAA)は6月25日(米国時間)、著作権で保護された音楽をオンラインで取り引きした個人を相手取り、訴訟を起こす計画を明らかにしている。
Nielsen/Netratingsの数字は暫定的なもので、また休暇を取る人が多いことから、夏季はインターネット上のトラフィックは減少する傾向にあるとの説もある。それでも、同社のまとめた統計は、著作権論議に関与する人から注目を集めている。
RIAAの発表した計画の重要な部分は、数多くのファイル交換者に対して、著作権で保護された作品をネット上に上げることがとてもリスキーだと、彼らを説得することだ。毎日膨大な数の人間がP2Pネットワークを利用している点を考慮すると、訴訟件数は潜在的には多いはずだが、実際に訴訟にまで至る件数は、利用者の数と比べて取るに足りないものになるだろう。
いっぽう、ファイル交換技術を提供している企業は、Nielsen/Netratingsの数字に疑問を示している。Morpheusを配布している米Stream Cast NetworksのCEO、Michael Weissは、過去数週間にはっきり知覚できるほどの低下は見られていないという。
Weissは、自社のログが毎日25万件のユニークユーザー数を記録していることに触れながら、「われわれは全く違うことを感じている」と述べた。セッションごとに各ユーザーが目にするバナー広告の数を基に計算すると、これらのユーザーは、より長時間オンライン上に滞在する傾向すら見られるという。
Neilson/Netratingsは、Morpheusのユーザー数が15%減少し、6月29日に終わった週に27万2000件あったユニークユーザー数が、7月6日の週では23万1000件に減少したとしている。
また、ファイル交換ソフトウェアの中では最も人気のあるKazaaでも15%の減少となり、ユニークユーザー数はこの期間に650万件から550万件に減少しているという。
両方とも、米国内において家庭でインターネットを利用するサンプルユーザー約5万人を調査して割り出した数値である。なお、人気の高いAOLのInstant Messengerの利用者数は、同期間内に9%減少したという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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