米Motorolaが同社として初めて携帯電話機にLinuxを採用する。LinuxとJavaを搭載した新しい携帯電話機A760を、2003年第3四半期にアジア地域でリリースする。
「我が社の製品の過半数がLinuxを搭載することになるだろう」(Motorolaのパーソナルコミュニケーション部門バイスプレジデントScott Durschlag)。Motorolaはローエンド寄りの携帯電話機に、Linuxの導入を広げる意向だ。アジアに続き、北米と欧州でもA760をリリースする予定である。
A760はカラーディスプレイを備え、カメラとMP3プレーヤーを内蔵する。Motorolaは自社ではOSの開発を行わず、MontaVistaのソフトウェアを採用する。MontaVistaは、DVDプレーヤーやネットワークルーターなどの組み込み機器に特化したLinuxディストリビューションを開発している。
ただ、Motorolaの挑戦には懐疑的な声もある。米IDCのアナリストの Alex Slawsbyは「Linuxがハイエンドのスマートフォン市場で先陣を行くMicrosoft、PalmSource、Symbianと対等に渡り合うのは難しいだろう」と指摘する。
「Linuxは今後も、ニッチな選択肢としての役割を担う。つまり、表舞台に立つことはない」(Slawsby氏)。IDCは、2006年までにSymbianが現在の46%から53%にシェアを拡大し、Microsoftがシェア27%、Palmがシェア10%を獲得すると予測している。Linuxはというと、わずか4.2%の見込みだ。
一方、Giga Information GroupのアナリストのStacey Quandtは、Linux導入のメリットを指摘する。「SymbianやWindowsの代わりにLinuxを使うことで、携帯電話機メーカーはアップグレードのサイクルを自身で管理することができる」(Quandt)
MotorolaのDurschlagは「コストが安いことよりも、開発のスピードに我々は魅力を感じた。速いペースで開発が進むオープンソースのLinuxを採用すれば、より多くのモジュールを利用できる。我が社は、OSをどれにするかということよりも、LinuxとJavaの組み合わせに興味を持ったのだ。Javaを推進するという我が社の戦略に変更はない」と語っている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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