Linuxコミュニティは米SCOの証拠を一蹴

 渦中のLinuxコードを撮影した写真がウェブ上を流れる中、この人気オペレーティングシステムの法的権利が自社にあることはコードが証明しているとする米SCO Groupの主張をオープンソースの支持者たちが一蹴した。

 オープンソースのリーダーで、有名なDebianの開発者であるBruce Perensは、CNET News.comが米国時間の8月20日に行ったインタビューに答え、「これらが最高の証拠か?これらの証拠はでっち上げだ」と語っている。

 最初にSCOの関係者が、Linuxのカーネルに不法に組み込まれたコードを立証するものだとする一連のスライドをネバダ州ラスベガスで開催した毎年恒例のユーザー会議で見せた。これに続き、ドイツのコンピュータ雑誌、Heise Zeitschritten Verlagがそのスライドの写真を自社サイトで公開した。

 Perensは、これらのスライドをネット上で見たほか、守秘義務契約対象のコードのさらに詳しい内容も入手したという。同氏によると、スライド中の機能のいくつかは、一般に公開され、特別なオープンソースライセンスで自由に配付できるBSD版Unixのものであることが容易に分かるという。SCOの主張によると、渦中のコードは同社がNovellから権利を買い受けた私有版Unixのものだという。

 SCOは同20日、問題のコードがオープンソースであるとのLinux支持者の主張は間違っているとの声明を出した。

 SCOは法律上、実際に渦中のコードがオープンソース版ではなく、自社が権利を保有する私有版から取り込まれたものであることを証明するという難問に直面している。法律の専門家によると、LinuxとUnixのコミュニティ間ではコードの共有や交換がかなり頻繁に行われているため、これは非常に難しい訴訟になるだろうという。

 Perensはまた、SCOが開示したコードの中には当初SGIによってBSDライセンスで公開されたメモリアロケーション機能も含まれていたとしている。同氏によると、このコードはLinuxが動作する特定のSGIマシンにだけ影響するもので、世界中で100台程度のマシンにしか影響はなく、今後登場するLinuxからは削除されているという。SGIにコメントを求めたが回答は得られなかった。

 Perensはさらに、これもやはり共有可能なオープンソースライセンスのようだとし、SCOが開示したパケットフィルタコードの例も指摘した。また、Perensは自身のウェブサイトで、当時Calderaを名乗っていたSCOが古いUnixコードをオープンソースライセンスにしたことを示す2002年の書簡を公開している。

 Boies, Schiller, & Flexnerのパートナーで、SCOの代理人を務めるMichael Heiseは、争われるコードがオープンソースライセンスの保護を受けているのではとの懸念を一蹴した。HeiseはSCOのカンファレンス会場でCNET News.comとのインタビューに答え、たとえCalderaの古いコードがオープンソースであったと仮定しても訴訟への影響はないとしている。

 「100個のファイルがあって、その中の1個をGPLで公開したとする。これは残った99個のファイルに対する権利を放棄したことにはならない。このように、これが裁判に影響するとは思えない」(Heise)

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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