米国ネバダ州ラスベガス発---米SCOは米国時間の8月18日、開催中のSCO Forumで最新兵器を取り出した。SCOのUnixから米IBM版Linuxにコピーされたという論争の渦中にある大量のコードだ。
SCOは、MGM Grandの会議センターに設置された静かな会議室の中で、機密保持契約への署名を前提に顧客やパートナー、その他の関心を持つ人々が自分の目でコードを確認する機会を提供した。
SCO Forumでこのコードを実際に見た人によると、同社の関係者は、著作権を侵害しているとされるコードを、直接そのままコピーされたとされるもの、派生作業だとされるもの、注意書きやただし書きが削除されて不明瞭にされたものなど、いくつかのカテゴリーに分類して見せたという(記者は、コードの比較表に関する特別セッションへの参加に必要な機密保持契約への署名を辞退し、プレゼンテーション参加者の反応を集めることにした)。
このコードを見たPrice Data Systemsのゼネラルマネジャー、Don Priceは、コピーされたというコードの量に驚いたという。「説得力のある量だ。かなりずさんだったのか、コピーするのは自分だけだとでも思ったのだろう」(Price)
SCOのリセラーであるKerridge ComputerのNeil Abrahamによると、IBMを告訴したSCOの判断は正しいという。「コードを見た限り勝訴は間違いないと思う。1行ならまだしも凄まじい量だ」(Abraham)
コードを開示している部屋に入ろうと歩き回っていたSCOのリセラー、Raven TechnologiesのBob Ungettiは、顧客から裁判に関する質問が寄せられているのでコードを見たかったという。「顧客から訴訟の信憑性について質問があったときに自分の目で見たと言えるよう、SCOの主張を立証するために自分の目でコードを確かめたかった。Linuxを使うことに関心がある人は悪影響を懸念している。担当するSCOの顧客たちは、同社が敗訴した場合に同社が倒産することを懸念している」(Ungetti)
同カンファレンスの参加者の多くは古くからのSCOファンなので、コードを見せることで同社が裁判に必要な証拠を持っていることを示すのはおそらく難しくなかっただろう。しかし、少なくとも1人の参加者は、IBM提訴に踏み切ったSCOの判断に驚愕したという。同ショウに出展している匿名希望のこの人物は、SCOもおそらくほかからのコードを流用して自社製品に取り入れているので、同社にも負い目はあるという。この参加者は、UnixとLinuxの間には「相互にかなりの交流があったと思う」とし、SCOの訴訟騒動を「勝手にすれば」と冗談交じりに切り捨てた。
法律の専門家も、SCOはコードに対する最初の権利を自社が保有していることを証明する難問に直面するとの点で一致している。これは、無償/オープンソースソフトウェアのメーカー間で人気の高いGNU Public License(GPL)というライセンスが特殊なものであるため、かなり困難な作業になる。GPLでは自社製品にコードを取り入れた企業に対し、変更した部分を共有するよう定めている。IBMはSCOの提訴を受け、コードが当初からGPLに従っているためSCOは渦中のコードに対する権利を主張することができない、と主張している。
SCOは、渦中のコードがGPLの適用を受けるという点を否定している。同社の弁護士が18日に明らかにしたところでは、もしそうだとしても同社の知的財産を保護する連邦著作権法がこの無償ソフトウェアライセンスに優先されるという。裁判になれば、この部分が最も重要な議論になるだろう。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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