米Googleは、ユーザーに電子メールでニュース速報を通知するサービスのテストを開始した。同社とオンラインニュースサイトとの間の競争が、ますます激しくなりそうだ。
Googleは6日(米国時間)、スポーツや医療、政治などの新トピックを電子メールで通知する「Google News Alerts」のベータテスト版をリリースした。この新サービスはGoogleの研究所で開発されたもので、同社が昨秋リリースしたウェブニュース専用インデックスサービスと相互に補い合う内容だ。調査では、Googleのウェブニュース専用インデックスの利用者は月間約250万人と推定されている。
ニュース速報の提供というアイディアは、ウェブニュースサイトには目新しいものではない。しかしGoogleにとっては、サイトを訪れる理由を増やすことで、ユーザがサイトにアクセスする頻度を上げられるかもしれない。いっぽうで、ユーザーがニュースを見るのに自社のサイトではなく、直接Googleを利用してしまうのを以前から恐れているウェブポータルやニュースサイトは、Googleのニュース速報提供の動きを注意深く見つめているに違いない。
ニュース速報は、一部のニュースサイトでもよく目にする、もはやコモディティ化したサービスだ。米CNN.comや米Yahoo、米New York Times Digitalなどは数年前から同様の速報を提供しているが、最近New York Times Digitalは、同サービスで年会費を課すようになった。Yahooでもさらにリアルタイムで速報を提供できるようサービスをアップデートし、ニュース専門会社のMoreoverと提携を結んでいる。
Googleは、検索サービス専門会社から、万能インターネットヘルパーへと移行を図っている。今回のニュース速報サービス実験も、その移行を示す1例と言える。
Googleはここ数年、ネット上の「笛吹き男」の如く、無数のウェブユーザーを惹きつける存在となっている。以前はYahooや米MicrosoftのMSNなどのサイトを検索に使っていた数多くのユーザーが、同社の検索に乗り換えた。また同社は、オンラインショッピングやカタログ、ニュースグループ、ニュース速報のインデックス作成など、ウェブ検索を補完する一連のサービスも実施してきた。今年に入ってからは、米Pyra Networksのblog技術を導入し、またポップアップ広告遮断機能のついたブラウザツールバーをリリースしている。
Google News Alertsに利用するには、サインアップページで登録し、あわせて受信したいニュースに関連するキーワードと、電子メールアドレスを入力すればよい。ユーザーは、ニュース情報源によって受信する速報を制限できるほか、メールの受信を1日1通にするか、Googleがニュースを見つけ次第連続的に受信するか、どちらかを選べる。なお、希望するキーワードの数は1メールアドレスあたり50個までとなっている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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