米MotorolaとNEC Americaは5日(米国時間)、Wi-Fiネットワークから携帯電話のネットワークへとローミングする、企業向けIP電話機を共同で開発していると発表した。
この電話機は、会社内ではWi-Fiネットワークを使って電話をかけるので、通常の電話回線ではなく、LANを通じて音声がやり取りされることになる。またWi-Fi網の圏外では、自動的に携帯電話網に切り替わり、Wi-Fi使用時と同じように、データのやりとりや音声通話が行える。但し、Wi-Fi使用時と比べると、アクセス速度はかなり遅めとなる。
このハイブリッド電話機やそれをサポートする通信機器は、来年後半に市場に登場すると、両社では説明している。なお、Motorola、米Avaya、米Proximの3社が、よく似た製品を投入するのも、ほぼ同時期となる予定だ。
企業全体の支出が減速しているなかで、各社が採用し始めている技術が3つある。ひとつは、IP電話もしくはVoIPと呼ばれるもので、電話とコンピュータシステムとをひとつにした点が受け、支持者を増やしてきている。VoIPでは、ネット経由で電話をかけるため、ローカルおよび長距離電話会社の電話回線を使わずに済む。いっぽう、Wi-Fi無線LANは企業で人気が高まりつつあり、また携帯電話はビジネスパーソンにとって欠かせぬ道具となっている。
VoIP、Wi-Fi、そして携帯電話という3つの技術を組み合わせることで、オフィスを越えて企業のコンピュータシステムを拡大する新たな方法が見つかると、Motorolaのビジネス開発部門シニアディレクターのBo Pyskirはいう。
しかし、Aberdeen GroupのシニアアナリストIsaac Roによれば、こうした「マルチモード」方式の通信機器では電池の持ちが悪く、それが大きな問題になる可能性もあるという。
Pyskirは、こうした通信機器に最初に関心を示すのは、大学や医療介護サービス提供者、倉庫、コンベンションセンター運営者、カジノなど、広い敷地のなかでビジネスを行う組織だと考えている。すでに病院では、こうしたハイブリッド型電話機を使っているところもある。
NEC Americaのエンタープライズ・ソリューション・ディレクターPaul Weismantalは、企業の支出がまだ堅調ではなく、今のところは売り込みも難しいと認めている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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