オンラインの音楽ファイル交換サービスを利用している米国人の3分の2以上が、楽曲の著作権に無関心--レコード業界の違法コピー取り締まり強化をよそに、こんな研究報告が米国で発表された。
The Pew Internet and American Life Projectが米国時間7月31日に発表した調査報告によると、ファイル交換を利用する米国人のうち67%が著作権に無関心であるという。2000年の夏に実施された調査では61%だったが、今回はそれを上回る数字となった。同調査は今年3月から5月の間、2515人の成人を対象に米国で実施されたもの。なお、この数ヵ月後に、レコード業界はファイル交換を利用する個人を訴えるための証拠集めを開始している。
「デジタル時代において著作権法を守らせることは、コンテンツ所有者にとって今後も厳しい戦いであり続ける」と、同報告では述べている。
米レコード協会(RIAA)は2003年6月、音楽の著作権侵害の疑いがあるファイル交換利用者の身元を明らかにするよう求めて、インターネット・サービス・プロバイダー(ISP)に対して召喚状を送ると警告した。これは、著作権で保護された音楽の配信を、再び自らの管理下に置くことを狙ったもので、現在までに、あらゆる業種や階層の人々を対象に、何百通の召喚状を送付している。
The Pew Internet and American Life Projectが今回発表した報告では、人口統計にも目を向け、収入や人種の違いと、ファイル交換の利用との関係も明らかにしている。それによると、低収入の世帯のほうが、より多くオンラインからファイルをダウンロードする傾向があるという。米国のインターネット利用者のうち、年間収入が3万ドル以下の世帯では約38%がファイルのダウンロードを利用しているの対して、7万5000ドル以上の世帯では利用者は26%だった。
また、インターネット利用者のうち、特定の民族グループの出身者が音楽ファイルをダウンロードをより多くする傾向もあるという。「アフリカ系やラテン系米国人の方が、白人に比べてファイルのダウンロードに熱心」(同研究報告書)。オンラインの利用者のうち、音楽ファイルをダウンロードしたと答えた回答者は、アフリカ系が37%、ラテン系が35%に対して、白人は28%だった。
さらに、学生のファイル交換サービス利用率も高く、56%の学生が音楽ファイルをダウンロードした経験があると答えたと指摘。しかし、その一方で、大学の学位を取得した層が、最も著作権法について関心が高いとも報告している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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