米Oracleは、同社コラボレーションソフトウェアのアップグレード版をデビューさせ、米IBMや米Microsoftから電子メール関連ソフトの顧客を奪取する計画をさらに強化した。
Oracle幹部の話では、米国時間17日にリリースされた同社の「Collaboration Suite」最新バージョンは、IBMのLotus NotesやMicrosoftのExchangeよりもローコストの代替製品を探している企業をターゲットにしているという。
Oracleのエンタープライズメッセージング/コラボレーション事業部副社長、Sunir Kapoorによると、同社はすでに同社製品をつかっている約20万社の顧客企業にCollaboration Suiteを売り込んでいくという。
もともとデータベースベンダーである同社は、Collaboration Suiteの方が競合他社の技術よりも信頼性が高いといし、2年近く前からIBMやMicrosoftに独自に攻撃を仕掛けてきた。そして、この電子メール/カレンダーソフトウェアの最初のバージョンを昨秋発売して以来、およそ500社の法人クライアントを獲得している。
Oracleのコラボレーションソフトウェア市場参入は比較的最近のことだが、ForresterのアナリストであるDaniel Rasmusが先日公表した調査メモによると、Collaboration Suiteは大企業にとって有望な選択肢の1つになりつつあるという。Oracleには、自社の人気の高いデータベースと、電子メール、カレンダーおよびファイル共有といったコラボレーションアプリケーションとを密接に連携できる強みがあるのだ。
電子メールファイルのほか、財務記録のような各種社内データを同一データベース上に保存することで、企業はサーバの運用を簡略化することができる。Microsoftは2006〜2007年までに、自社のExchange電子メールサーバの基盤となるデータストア部分を、SQL Serverリレーショナルデータベースに変換するつもりだ。IBMも、自社のLotusコラボレーション製品とDB2データベースやWebSphere Portalソフトウェアを密接に連携させる作業を進めている。
OracleのCollaboration Suiteのリリース2は、電子メールを使ってWebカンファレンスができる機能を搭載しており、ユーザーはMicrosoftのOutlookもしくはWebブラウザを使ってこれらコラボレーションアプリケーションにアクセスするようになっている。また、共有ファイルを使えるスレッド式のディスカッション作成機能も搭載されている。
またOracleは、来年前半にはインスタントメッセージング機能を自社ソフトウェアに搭載する。
Kapoorによると、OracleのCollaboration Suite(1ユーザーあたりサポート込みで60ドル)のコストは、ソフトウェアライセンスと運用の両方のコストを考慮した場合、Lotus NotesやExchangeの約3分の1だという。また、顧客は1ユーザーあたり45ドルでWebカンファレンス機能だけ別途購入することも可能。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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